タグ「神威がくぽ」のついた投稿作品一覧(6)
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広いダンスホールの中を
白いドレスのサンドリヨンと皇太子は優雅に踊り回る。
他の出席者達も我を忘れた様に二人の姿に見入っていた。
『なんて素敵……』
『彼女は何処の御令嬢だろうか?』
『皇太子となんて羨ましいわ…』
そんな声が飛び交う中、二人は尚も踊り続けた……
――やがて二人の足が止まると、瞬く間...Cendrillon‐サンドリヨン‐withぽいど兄妹Ⅲ
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「一体師団長は何を考えておられるのだ…全くもって解らん」
「全くじゃな……」
広い廊下を三人の年配の男性がそんな事を言いながら歩いていた。
幾数十年からの栄光と莫大な国家と軍力を誇るこの国は長年に渡り近隣の小国との戦争を強いられていた。それもつい最近までは誓約や同盟を結ぶことで回避し続けどうにか『冷...‐焔焉‐焔(ほむら)
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その日の昼過ぎ、るかは仕立てに使う縫い糸がなくなったので隣町に買いに出かけました。
町はいたって普段と変わらない穏やかで平和な日常です。
「いらっしゃいるかちゃん」
「こんにちは。いつもの糸を下さいな」
「あぁ。待っとくれ……しかしるかちゃんもわざわざこんな遠くまで買いに来なくても近所じゃあもっとい...円尾坂の仕立屋 第二幕 -赤い着物の女-
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しばらく広間を見下ろしていた神威がふと扉の方を見ると
一人の娘がいた。
金色の刺繍の真っ白なドレスにバラの花をモチーフにした髪飾りをつけた短い髪は深い緑色だった。
彼女はこのような舞踏会は始めてなのか
時おり人にぶつかりながらあちこちを歩き回っている。
すると娘が階段につまずいて転びそうになった時―...Cendrillon‐サンドリヨン‐withぽいど兄妹Ⅱ
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豪華なシャンデリアに照らされた大広間、薄絹のカーテンが掛かったステンドグラスが輝く窓、人々の笑顔と話し声
女性達のドレスの衣擦れの音――――
一国の城に相応しくまさに豪華絢爛な舞踏会である。
その舞踏会の中央広間にある階段上――本来なら
この舞踏会の主役でもある皇太子神威はうんざりとした
様子で椅子...Cendrillon‐サンドリヨン‐withぽいど兄妹Ⅰ
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がくぽは小さな温室の中にいた。
白い鳥籠のような形のその中ではたくさんの花々が咲き乱れており中は咲きつくしたらしいどこか甘ったるい香りが立ち込めている。
片隅にただ一つだけ置かれた白いベンチに腰掛けて周りを眺めていると近くの花に爪先が触れた。柔らかな花びらは爪だけで触れていても破れてしまいそうだ。
...バタフライ-がくぽSide-