赤坂んんんの投稿作品一覧
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流れの速い川の向こうへと橋が架かる。
水面に揺れて、
反射する、月明かり。
見たのが最後。
ふたりきりで過ごす。
眺める、絵画みたいな窓。
押し込められ、僻地の塔で幽かに聞こえる風が流れる音。
出口のないここで、
永久に、
時間から離されて、いつか化石に成り果てるのね。...沈下橋
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連日連夜もう缶詰になるわ。
紙面上のごっこ遊びで紡いで書き上げるから絶対。
誰かが書かなきゃこの劇、台無し。時間も金銭もかけた甲斐なし。私以外詩書ける人いないし。それが大体これまでのあらまし。迫る締め切りに焦り。執筆し。ねえ内心期待してる。確かな叙事詩。言葉操ってさながら魔術師。文才を引き出し、戦...切腹しそう!
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虫除けの煙、焚かれて揺れて、外気に溶けてゆく。
揺蕩う煙、透かして、輪郭だけを見ている。
教えて。
話して。
俯き小さくまばたく。
(見ている世界がどんなものか理解したい。)
小刻みに息をする。
(揺蕩う煙の向こう、息してる。)
探して。
(掴み切れない。闇の中に手を伸ばすよう。)...熱的死
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『ただいま電話に出ることができません。
電源が入っていないか電波の届かないところにあるため出られません。
ピーという発信音のあとにお名前とご用件をお話しください』
もう!なんどもかけなおしているけれど、
ガイダンス。機械の声で。
どうして電話に出てくれないの?
喧嘩して帰る。歩く。
家につく。
すぐ...不在着信
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「誰も近寄らない暗い図書室で本を読みながら持て余した時間をつぶそうと、図書室の奥のほうで今読むべき本を探した。」
『誰も近寄らない図書室で放課後、逃げるように本を読んだ。』
「手に取ったのは全18巻の文学全集だった。この春私は卒業する。それまでに読み切れるかな。
そう思いながらページをめくった202...図書室A
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気づいたら迷い込んでた。
見慣れない場所。
不思議な旋律と声、
聞こえてる。
ほめそやしたり
けなしてみたり
朝、目が覚めたらもう。
昨日までに起きたことは
記憶だけで
変な夢で、...ぜんぶ変な夢
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本当の名前も分からない二人は、
古い誰かの住んだ家、寝起きしている。
大人には見れない妖精なのですか?
蜘蛛の巣の這う空き部屋で夜も朝も過ごした。
ああ、
誰も居ない家で強い雨、しのいだのです。
二人きりで。
そして雨が止んだら連れてってあげるよ。
それまでは寝ていて。
本当の名前も分からない二人は...赦してあげる
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号砲、そして飛び込んだプール。後方、越して追いかけてくる。
先頭、選手届きそうトップ。こうなればもう二人だけの勝負。
無駄なことさ。泳ぐ速さ。違うから先に行けるさ。
計算上では数秒後には追い越せる程の差。
分からないね。分からないね。分からないね。分からないね。
水の中で対話してる。欲しいものは手に...水泳
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空中浮遊したい
──空中浮遊して
地球を見下ろしてみたいよ 世界の真ん中で一人
──空中浮遊して
漂う夢を見てたいよ 何にも変わらないなら
──空中浮遊して
月を追い越してみたいよ 世界でただ一人 高く
──空中浮遊して
影、放り投げ 成層圏を突き抜けたいよ
静かに都市は暮れて...たいにぃむぅん
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(司令)
突如として地球の遥か上空に現れた謎の物体。
通称、巨大怪星メガロドン。
今人類はこの物体によって存亡の危機に瀕している。
人間の歌声によって動きが鈍るというデータがある。
そこで我々は特殊な歌声をもつ少女を4名選抜した。
(司令)
「総員退避!総員退避!
地球に衝突するまでもう時間がない。...巨大怪星メガロドン(歌詞)
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はやく高校卒業したい
はやく高校卒業したい
はやく高校卒業したい
はやく高校卒業したい
名付けられた青春。作られた群像劇。
きっとこのまま何もないままで生活は続いてゆく。
何度も何度も卒業してどんどんどんどん色褪せてゆく。
いつかは何かに期待することもなくなる。
内に秘めた殺意なんて見えてないか見て...高校卒業したい(歌詞)
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燃やせよ。
馬鹿な人喰らいどもの書いてきた不様な手紙など。
孤独に、
売り手も買い手も居ないのだ!
だから、
あちらこちら目を奪われて、
眩い文を食べて、
すべてに嫉妬狂って穴だらけになる前に
地獄に堕ちようね
墓場に居た、背骨のない化け物によく似た顔してる、...地獄に堕ちようね(歌詞)
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流れ着いてきたんだね。捨てられ海を漂って。
今はまだ、なんにも知らなくてもいいよ。
島の人は危ない。彼らに見つからないように、
あの人たちの知らない言葉で話そう。
どうしてここにいるの? いままでなにをしていたの?
知らないこと・なぜ?・なに?・もっときかせてほしい。
(機械を拐かして施す。
秘密の...機拐島(歌詞)
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私はきっと虚数解。
だから実な世界で見えてない。
存在のない存在のように扱われている伝説上の妖怪。
どこかに存在してほしい対となりうる共役解。
宛名も書かずに出した年賀状。
出し合っている歪な関係。
その子とその子はたぶん実数解だから、
いつかは重なり二重解になる可能性のある。
堆い、未来はとても不...虚数解(歌詞)
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あんたの思想を教えてよ。100年後まで運ぶから。
いつも聴いている、移動中にも流しているメロディ
それを模して歌にしてみようとしてたね
誰にも見せずノートの端に書いたメモも
そのイラストも我々はすべて見て覚えている
言葉と音と呪文ひとつ
CDEFGAB!
あんたの思想を教えてよ、100年後まで運...ごうせいおんせい(歌詞)
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解して... 得体の知れぬ我が儘
どうせ負け戦だから あーあ
ん 頭のなかで喋る
ぱっぱらっぱっぱっぱっぱらっぱ
間違えたよ全部
私も世界も欺いて
汚れちゃったね遠のく意識で見つめる遠くの足の指と指と指と。
くすぐられている間にするうたた寝、夢も見られず永遠におねんね。
ワンツー刻むよ水滴、スリーフ...汚れちゃったね
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ぐさりぐさり踏む雪
狂気じみた外気温
辿り着いた山小屋の中
喉が締まる
見ろよ見ろよ、この詩を
目と鼻と口のついた
雪の中に見た幻を描いたのだ
あれは雪女かな?
あれは雪女じゃない
あれは雪女だろう...ゆきをんな kills you(歌詞)