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薫る幽玄の山風 楽の音 淑やかに 血塗る尖端の昂り 息の根 尽きるまで 水底に揺らぐ俤が詠う 篝火に浮かぶ憶念が嗤う 徒の廻廊 夢寐の燈籠 彷徨う眼を誑かす 千の武士 勝鬨を挙げ 久しい日輪に泪せよ...
軍の華 扇の瑕
朝飛 縁
戦場を駆ける男、帰りを待つ女 互いの想いは交わることなく それぞれの生き様を魅せるだけ ただそれは、 想い合っているからこそ―― ―――― 一字下げにした箇所は心内文なのでセリフっぽく書いています。他の部分とは書き方が違うよ、ということを表すために一字下げました。でもセリフで言わせているわけではなく、ここもちゃんとメロディーがついた歌です。 最後の一行はハモっている感じで。 構成:ABサビABサビCサビ (以下ざっと自分用解説:読まなくても大丈夫) 軍で奮闘し、勝つことだけを考え、置いてきた妻に配慮せず、しかしそれは言葉にするのが苦手な性格故であり、この活躍する姿が届けばいいと、妻への想いを胸に抱く男(夫)。 遠くで戦っている夫の帰りを便りもなく待ち、音楽に興じてみても、舞を踊ってみても、胸を占めるのは夫の安否で、想い続けるのを止めようとしても夢に見、寝ても覚めても愛の炎が消えない女(妻)。 ようやっと逢えた時、二人は懐かしい温もりに喜び震える。 いつ命を落とすか分からないこの世の中、どちらかが先に亡くなった時、残った方だけでもまた愛した誰かと幸せに長く生きてほしい、永遠は望まない、せめて今のこの身が果てるまではともに想い合い、愛し合おう――という心情。