タグ:【リレー】僕と彼女の不思議な日常
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「どういうことよ、先代神。いいえ、――カイト。」
ルカは目の前に居る、先代神であるカイトに向かって言った。
「…その名を呼ぶなと言ったろう」
「で、神を譲る時が来たって、どういうことよ?」
「お前は所詮、人間だ」
「もう人間ではないわ」
「お前は元々人間だ。人間ってのは目標に辿り着いた時に、何かを劣...【リレー】僕と彼女の不思議な日常 11
ゆるりー
【リレー】僕と彼女の不思議な日常 10
「まさか、あなたがここにいるとはね」
「そんなに自分の立場が好きか?」
「む」ルカは口をつぐんだ。
「さすが人間は、隠せないなぁ」
「何が言いたい?」
「人間ってのは、みんなが自己中心的なんだよ。自分の立場だけを守りたがる。とてもつまらない人間さ」
「……そん...【リレー】僕と彼女の不思議な日常 10
aurora
何もない空間。この空間の色は、すべてを善へと誘う白なのか、それともすべてが闇に堕ちる黒なのか。
僕には分からない。
――それで、僕がここから出るには、どうしたらいいんだ?
『さぁ。あの神なら知ってるかもね』
――かも、じゃ困るよ。なんとかなんないの?
『…君は、「神のスゴロク」が、自分の人生をすべて...【リレー】僕と彼女の不思議な日常 9
ゆるりー
【リレー】僕と彼女の不思議な日常 8
「神は何時までも居座ってるつもり? 私はしってるのよ。その『神のスゴロク』が神の継承されるもの、ってことは」
「随分調べましたね。その苦労は認めましょう……」
でも。
「あなたが神でない限り、あなたはこのスゴロクのなかからはでられない」
そう言ってルカはサイコロ...【リレー】僕と彼女の不思議な日常 8
aurora
「うぅ…酔った…」
「あれだけで酔ったの?」
「僕は普段家にこもりっきりだから…空間が歪んだら、酔うよ…」
「だらしないわね。しっかりしなさいよ」
学校の中庭から移動した場所は、白が無限に続く真っ白い空間だった。
あたりを見回しても、そこに続くのは白、白、白。
初音はなんで酔わなかったんだろう。
「...【リレー】僕と彼女の不思議な日常 7
ゆるりー
【リレー】僕と彼女の不思議な日常 6
約束の日。
研究室にいつもより少し早めに僕は着いた。
そしたら既に初音はいた。
「早いね」
「君こそ」
初音はいつもと同じ服装だった。
ただ、今までにないものがひとつだけ。
ルービックキューブのようなものと、金色の鍵。
ルービックキューブには鍵穴がひとつ。そして...【リレー】僕と彼女の不思議な日常 6
aurora
僕は誰も居ない家に帰っても、彼女の言ったことを考えていた。
『1週間後。神のスゴロクに連れてってあげる。だからここでまってて』
神のスゴロク…そんなもの、存在するかもわからないというのに、その神なる者が居るところへ、僕らも行くだと?
馬鹿馬鹿しい。
僕は、そんなもの信じていないのに。
そもそも「行く...【リレー】僕と彼女の不思議な日常 5
ゆるりー
【リレー】僕と彼女の不思議な日常 4
「ねえ。もしも『神のスゴロク』を自由に操ることができたらどうする? コマを自由にできたり、ね」
「……なんだと?」
初音は今なんといった? 神のスゴロクを自由に操る?
「……ちょっと頭が混乱しているんだが」
「あら。混乱するほどのことだったかしら? まったく普通...【リレー】僕と彼女の不思議な日常 4
aurora
「この世界は『操られた世界』……って言ったらあなたは信じられる?」
「はぁ?」
さっきから初音は、否定された仮説がどうのこうの言っていたが、僕によってはどうでもいいことだった。
だが今初音が言ったことに、僕は興味を持った。
「操られた?どういうことだ」
「そのまんまの意味よ。この世界は操られている」...【リレー】僕と彼女の不思議な日常 3
ゆるりー
【リレー】僕と彼女の不思議な日常 2
「あなた。私が何考えてるか知りたい?」
唐突に彼女が言ったのは、初音が研究室にやってきてから3日経った頃だった。
「え?」
確か僕が研究室のフラスコに適当に物質を投入して混ぜ合わせてた時だった。
「『地球プラネタリウム』って知ってる?」
「ああ。地球の外は宇宙の...【リレー】僕と彼女の不思議な日常 2
aurora
僕と彼女は、特になんの意味もない白黒な関係だ。
今日も僕は、高校の研究室にひきこもる。
授業は受けてはいるが、興味のない授業のときはだいたいここに居る。
ようするに、サボリだ。
だって授業の内容は簡単すぎてつまらないんだ。
教師はそんな僕に特に何も言わない。
だって成績はいいんだから。
そもそも僕に...【リレー】僕と彼女の不思議な日常 1
ゆるりー