お母さんがいてお父さんがいる。
それは当り前。僕にはお兄ちゃんもいる。

それぞれ違う人がいる。
その中で出会い生まれた僕らは奇跡なんだろう。

気づいたら言葉を覚え
気づいたら食べ物の食べ方を覚え
徐々に世界が広がった。

それはすべてお父さんやお母さんのおかげ
それから少し先をいきた兄のおかげ

先に生きた兄にはいろいろ教えてくれた。
母よりも父よりも知っていた。
勉強が大変なこと、辛いこと、楽しいことがいっぱいある
なによりも花を教えてくれた。


めずらしい花を、花壇の手入をする母よりも詳しかった。
テレビに詳しい父よりもテレビ知っていた。

みんな笑った、愛があふれていた。


そうして兄はいなくなりました。
1輪の花と手紙を残して逝きました。


「ありがとう。おれいいおにいちゃんだったかな?
おまえにいろいろおしえられたかな?
はおんとはもっといっしょにいたいけどおわかれです
おにいちゃんはおそらでみんなのことみてます。
だからあんしんしてかぞくとたのしくすごしてな」

嘘だと兄の死を受け入れられなかった。
兄の部屋の前で花に水をやりながら
兄のかえりを待ちました。



ある日、母は言いました。

「仕事ばかりしてないであの子にもかまってあげて頂戴!!」

「仕事のほうが優先だ」



意味はわからないけど、家族はバラバラになりました。


母は兄の死後すぐにいなくなりました。

後追いだそうです。

父は今も元気です。


お兄ちゃんごめんなさい。

守ってといってたのに守れなかった。


もう、このおうちには誰もいません。

でも、お花は咲いています。

それが目印です。

手紙をそっとお墓の前に添えました。


風がそれを運びました。


お兄ちゃんに届くことを祈ります。


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

家族

今日は兄の命日でした。

明後日がははの命日です。

本当は唄にしたかった。

家族がバラバラになりつつある現代に

自らの経験を通して家族の大切さを伝えたかったんですが


病み唄にそのような力はないので詩としておきます。


どんなにつらくても、嫌でも

居場所があるだけで心は安らぐのです。

一時の感情で家族を壊さないように。。。

それが願いです。

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投稿日:2010/10/14 23:36:56

文字数:764文字

カテゴリ:その他

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