神という存在は、人間というものを余りにも軽視していた。

「イアが私に初めて会ったときに言ったセリフよ。あの馬鹿っぷりは健在みたいね」

そう言って初音は僕の脛を蹴り上げた。なぜ蹴る。痛いんだが。

「イアは昔からいたってことかい?」

「昔からも何も、私が作り上げたんだから当たり前じゃない。
 にしてもまったくずいぶんとやっかいな成長を遂げたものね。
 困るわ。ほんとに」

と、僕に言われても困るんだが。最近君の鬱憤潰しに僕が利用されていないかい? 言わせてもらうけど僕は違うんだぞ?

「別にそんなことはいいわよ。
 とりあえず、今起きたことを冷静に対処さえできれば」

そうだ。僕らは今とんでもないことになっているんだった。

「……どうして、初音と僕以外が消えたんだ、ってことだろう?」

そして、僕はそのおきたことの核心をついた。



***


それは、ついさっき起きたことだった。

『秩序の狭間』に入ったときは特に何もなかったが突然『排除するように』ルカたちが消え去った。

「……いったいどうなったのか。君にも解らないんじゃ。
 僕にだって解る訳がない」

「そうだけど。でも、私にだって解らないこともあるのよ。
 神だったとはいえ、長いブランクがあるんだから」

「そうか……。まぁ、とりあえず適当にこの辺を散策して見ようか」

そう言って僕と初音はこの秩序の狭間を散策することにした。




つづく。

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  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【リレー】僕と彼女の不思議な世界 01

最終部、始まる。

Back(「【第二部】僕と彼女の不思議な校内探検 30【完結編】」);http://piapro.jp/t/t_8m

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投稿日:2012/01/26 23:25:06

文字数:615文字

カテゴリ:小説

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