錠剤も血も溶けて白く透き通るその手首
君は捨てられた恋人たちの手紙みたいだった
天使さま、清潔なまま
ミロのヴィーナスの腕みたいに攫っていく
コンドームもない夜の果て
トロレッテは痛くつめたい魔法の中へと
今夜、死体と歌うそのためのこのスコア
ノートに針刺して
「これが愛情」
そう刷り込んでいく
くり抜いた目が宝石の煌めきで
命なんてこんな軽い
まだ息のある首に口づけを
君の中を犯罪でいっぱいにしてあげよう
歌う言葉、君が選んで
ラヴェルのような美しいメロディー奏で
体温は写真の中に埋葬され
Non,non、君は花になった
Mのために
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