気が付くと世界は2つになっていた。窓から見える景色は、ただ、暗闇が広がるだけ。その中にひとつ、浮かんでいる私の世界とは違う世界。
「・・・キレイ。」
花がある。生き物がいる。何も聞こえないけど、想像は容易に出来る。向こうの世界は幸せの場所、ユートピアなんだって。足元を見た。砂。草木は枯れている。何の音も無い。私はひとりぼっち。ねえ、ここには誰もいないのかな。
* 絶頂ユートピア act.1 *
小さな部屋のような世界。まあるい世界。ここが私の世界で、ここが私の生きる場所。誰もいなくて、何も無くて、希望も見えない場所。寂しくなんて、ない。ひとりに慣れているのか、と聞かれれば分からない(だって、聞いてくれる人なんて誰もいないんだから)。最初から、私だけの世界。誰にも聞けないよ。
また、窓の外を見た。もう一つの世界。向こうの世界。私はいつも妬んでいるのかもしれない。ユートピアはあと少しで、手に届く位置にあるのに。私の世界を壊したら、向こう側に行けるかな?それとも、向こうの世界は二度と見えない場所に去って行くのかな?とにかく。私はユートピアを手にしたかった。
私と言う存在を誰か確かめて。それだけでいいよ。
ユートピアは今日も幸せそうだった。"幸せ"が何なのかは知らないけど。なんとなく、幸せそう。その幸せの中に、人影を見つけた。ほんの一瞬、目が合った。
「あ。」
よく見ると、目なんか合ってなかった。眠っているんだ。動かないもん。金色の髪の、多分、男の子。透明な箱のようなものの中で立ったように眠っている。
「―――ッ」
頭が痛い。割れるように、焼けるように頭が痛い。
「・・・レ、ン?」
なぜか知らないはずの名前が喉を通り越して口から溢れた。話したことも、まして、会ったこともない、見たことも無い彼の名前。不思議だけど、ただただ、誰かの名前を呼べることでひとりの世界が少しだけ傾いた気がした。
<続>
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