集団というのは何とわずらわしいものなのだろう。もちろん違うと言う人も沢山居るだろうが、少なくとも私にとってはそうだった。

「おまえ、キモいんだよ。」
「あなたと一緒に居たい人なんかいないわよ。」 
「クスクスクス…。」

 中三の時、私はいわゆる“イジメ”というものを受けていた。
私はただ自分を通していたいだけだったのに、集団というものはそれを許さないようだ。

 クラスで有力な女子グループがあって、私はその集団のリーダー的存在の女子とはそれなりに親しかった。
けれど、ある時意見が分かれて彼女に強く反発した事があった。もちろん他の女子達は彼女の味方であり、私は孤立した。
そして私が自然とそのグループから離れていくのに時間はかからなかった。

 彼女のグループは女子の半数以上が加わっているものだったので、私はクラスで浮いた存在になっていった。
集団の人々が、大多数を占める意見があるとそれに賛同し、少数派は異端とみなすように…。

 最初は彼女達からただ無視されるだけという程度だったし、元々沢山の人と話すのはそれほど好きというわけでもなかったのでたいして気にはしていなかった。
すると、彼女は私の反応が面白くなかったのか、しばらくたってから他のグループや男子にも協力させ、その仲間全体で私を“口撃”し始めた。(もちろん、授業でペア作りの時などは先生にばれないように普通に接してくる。)
さすがに辛かったが、当時私には仲の良い友人がいて、その子は私とも普通に接してくれていた。だから辛くても毎日を乗り切れた。

 しかし、ある時私は、私と親しくしているその友人まで被害を受けている事を知った。友人とその友達が話していたのを偶然聞いてしまったのだ。
その友人はとても優しい子で、私がそんな状況にいると知っていて尚、友達でいてくれるような人だった。だからこそ、私にその事を言えなかったのだろう。
私はその友人との関係を全て断つ事にした。友人が少し哀しそうな顔をしたのが心苦しかったが、私のせいで関係ない人まで傷つくのは嫌だった。
だから一人でいる事を選択したのだ。

 そして私はただ“口撃”に耐える日々を過ごす事にした。(先生に報告なんて事はしない。彼女達はきっと口を揃えてこう答えるだろうと分かりきっていたからだ。「そんな事実は無い」と。)
丁度その頃、受験のシーズンが近付いていて、そのうち私なんかにかまっている余裕など無くなるだろうと考えたからだ。

 案の定、“口撃”はピタリと止んだ。皆、自分の事が第一なのだろう。リーダーの彼女も私への興味を失ったようだった。周りでは進路や勉強の話ばかりしている。
私はこの時すでに公立の高校に行く事に決めていた。この中学に通う生徒の大多数が私立の高校を目指している事を知っていたからだ。
表向きは「近いし、見学で気に入ったから」という理由で先生や両親に話したが、本心としては、彼女達と同じ学校に通う可能性があるのなんかゴメンだ、という理由だった。

 そして無事高校に合格した私は、あるルールを自分に課す事にした。

『自分を出し過ぎない』、『目立つ様な事はしない』、『もう二度と他人と必要以上に関わらない』と。

 この時私は、たとえ環境が変わっても大人数のグループを作って仲良くするという事に自分はどうしても馴染めないだろうな、と感じていた。
そしてそれができない者がどうなるかも、今回の事で身をもって知ったから尚更だ。だから人との関わりを最低限まで断つ事に決めたのだ。
これ位が丁度良い。
自分自身だけでなく私と関わった人まで犠牲になるのも嫌だったから、これなら誰にも迷惑をかける事が無い。
それに正直もう疲れていたのだ。人と関わるという事に。


―だから私は“独り”でいる事を選択しよう。学校生活でもそれ以外でも、この先も、ずっと…―

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ある少女の決意

初投稿です。色々いたらない点もあると思いますが、宜しくお願いします。

これは今考えている小説の主人公(オリキャラです)の過去という設定です。ボカロキャラはそちらに登場します。彼女は人とふれあう事の楽しさをもう一度思い出せるのか、といった話になる予定です。予定は未定なのでどうなるか不安ですが…(^^;)
ちなみに文中の“口撃”は『物理的な攻撃(呼び出してボコる、水をぶっかける等)』が無くて『精神的な攻撃(悪口・陰口、靴を隠される等)』だけされていたという私なりの意味の造語です。(ツッコミなんて無いでしょうが念のため。というかそもそもこんな駄文を読んで下さっている方は居るのだろうか…?)

最後まで読んで下さり、ありがとうございました!

閲覧数:145

投稿日:2010/06/04 20:00:13

文字数:1,601文字

カテゴリ:その他

クリップボードにコピーしました