飴色の瓶に琥珀の液体
その中に僕の指から垂れる血
このひとしずくが彼女を生かす
彼女は紅の吸血鬼
彼女は夜な夜な部屋を出る
腰の後ろにナイフを挿して
同胞を狩りに街をさまよう
彼女は紅の吸血鬼
吸血鬼の長は金髪の双子
無垢で冷酷な二人の子供
銀のナイフは彼らを求める
彼女は紅の吸血鬼
彼女が傷付き帰ってきても
僕は黙って血をひとしずく
これが彼女の命の水
彼女は紅の吸血鬼
どうして彼女に血を与えるのか
どうして彼女を恐れないのか
どうして彼女は斃れないのか
どうして彼女は美しいのか
今宵も小指の先を切り
飴色の瓶に血をひとしずく
傷を抱えて戻る彼女の
帰還を独りの部屋で待つ
夜明けが間近に迫ってきている
彼女は陽のもとでは生きられない
それでも僕は部屋の中
瓶を抱えて目を閉じる
どうして僕はここにいるのか
どうしてここから逃げ出さないのか
どうして彼女を待っているのか
どうしてこんなに焦がれているのか
ドアをノックする軽い音
開けた先には金髪の双子
こんばんは青いお兄さん
紅の吸血鬼を待ってるの?
ああ、そうだよ
無駄だと思うな
なぜ?
彼女は死んだもの
花開くような声で言う
同じ顔をした少年少女
けれどね君たち 甘く見ちゃいけない
彼女は強いんだ とても とてもね
笑った二つの顔の下
閃く一本の銀の線
ごとりと落ちた頭が二つ
金糸の髪を床に広げる
ナイフも彼女も血に濡れて
見るも無惨な様相だけれど
跳ね返りの血は洗えば落ちる
傷からの血はすぐ止まる
ただいま
おかえり
喉が渇いたわ
いつもの瓶に血を落としたよ
古い血は嫌
解ったよ 新しいものを用意しよう
でもその前にお風呂だね
汚れて美人が台無しだ
静かに笑って部屋へと入る
彼女は紅の吸血鬼
彼女のために血を垂らす
僕は何者なのだろう
瑣末な悩みは間もなく消えて
僕は酒瓶の封を切る
そして小指の先を切り
琥珀の酒に血をひとしずく
このひとしずくが彼女を生かす
このひとしずくが彼女を癒す
このひとしずくが彼女を眠らす
このひとしずくが彼女の命
このひとしずくが僕からの愛
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