午後九時十分。
全ての装備を解きヘッドに身を深く沈めると、脱力感としか言いようのない感覚に襲われた。
今日という日に行った任務は、今まで体験したどの訓練よりも意外な出来事だった。
人質は死に、今となっては仲間であるミクやキクに襲われ、ヘリの大軍団を相手にした・・・・・・。
今までに、二十四時間を訓練で過ごした時は幾つかあったが、今日の半日はそんな訓練よりは遥かに過酷で、危険で、意外で・・・・・・。
・・・・・・こんなことを感じる自分はどこかおかしいと思うが、スリリングだった。
敵の目を欺き、施設奥深くまで潜入する、緊張感。
強敵を前にして、ありあわせの武器と己の全力で挑む、あのスリル。
最終的にはヘリの銃座に腰掛け、ヘリの大群を次々と撃墜した。
それらはジェットコースターの如く急展開で、俺には息をつく暇さえなかった。
あのときこそは、俺は半ばパニック状態で遮二無二に引き金を引き続け、我を取り戻す頃には目の前に敵はなく、いつの間にかヘリの操縦桿を握っていた。
だが今となっては、まるで映画だな、と客観的なことを考えている自分がいいる。
まぁ、あの手のアクション映画やゲームなど、いくらでもあるだろう。
実際に体験してみることとは、わけが違うがな。
そんなこと考え苦笑しながら、俺は手首の充電プラグ用のソケットに、プラグを差し込んだ。
脳内で自動的にスリープモードに移行する準備が整い、意識は睡魔によって蝕まれ始めた・・・・・・。
・・・・・・今頃、ミクや網走博士達は、狭くなることに構いもせず、互いに身を寄せ合っているのだろうか・・・・・・。
全く持っていい身分だな・・・・・・恋愛感情・・・・・・らしいが、俺にはそんなこと、は・・・・・・想像もつかない・・・・・・。
・・・・・・しかし・・・・・・そう考え・・・・・・ると・・・・・・こうして一人でベッドに横たわる俺が・・・・・・随分・・・・・・孤独、に見え・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
もう、みんな寝付いてるはずなのに・・・・・・。
ぼくだけ眠れないなんて・・・・・・。
ワラも、ミクも、シクも完全にスリープモードに入り、静かな寝息を漏らしながら、完全な睡眠に入っている。
ただ、ぼくだけは充電器のプラグを差し込んでも、なかなか寝付くことが出来ない。
スリープ機能の故障とも考えられるけど、アンドロイドにも眠れない夜はあると思う。
多分、ミクのことだ。
あの後、通信履歴には、ミクと思われる声と、テロリスト幹部の一人であるミクオが会話しているらしき無線を傍受していることに気付いた。ぼくはデルさんとの会話とPLGの調整に集中していたから。
再生しては見たものの、こちらの傍受状態が悪かったせいか、何を会話しているのかは不明だった。
ミクへの疑惑は、深まるばかりだ。
だから眠れないんだ・・・・・・。
本当は、自分でも分かってる。信頼できる仲間を疑うなんて、あってはならないことだと。
それでも、ぼくはそれなりの事実を目撃してしまった。
だから・・・・・・。
「ファーーーー・・・・・・。」
突然、ぼくと寄り添って寝ていたワラが変な声を上げて寝返った。
おかげで右半身がヘッドから飛び出した格好になっているけど、それでもワラは寝ている。
ワラのそんなところが、時々うらやましい。
ワラを抱き寄せてベッドの中に引き戻すと、なぜか、ワラを抱いた両手を離すことが寂しくて、そのままワラと密着したまま、目を閉じた。
向こう側のベッドでは、ミクが上体を起こして、額を撫でていた。
「ミク。」
「・・・・・・ヤミ?。」
「あなたも・・・・・・眠れないの?」
「・・・・・・ああ。」
どうしても、俺はこのまま眠りに着くことはできない。
キクと、キクとこうしていられる時間が、何よりも愛しい。
もとより、キクを愛しているというほかに、今日という日のために費やした努力が、キクといられるこの俺に、ある種の達成感さえ味あわせていた。
今日の再会は意識が吹き飛びそうなほど衝撃的だったが、結果的にこうなったことを考えると、デルには感謝しなければならない。
おかげで、今キクとこうして肌を重ね合わせていられるのだから。
久しぶりだ・・・・・・この感触。
触れ合う頬。絡め合う足。仕草。
何もかもが、昔と同じありのままのキクだ。
長い間、キクの顔を見ることさえ叶わなかった俺にとっては、これほど至福名なひと時はない。
何よりも、キクもそう思っていてくれることも。
キクもまた、俺と過ごす夜が愛しく眠りには着いていない。
今一度、俺はキクの髪を撫でた。
歩くたびにたおやかに揺れるその髪は、指先に触れた途端、包み込まれるように柔らかく、優しい感触を覚える。
そのまま背中に手の平を撫で下ろすと、無機質な特殊スーツの感触に変わった。
ただ、0.1ミリにも満たないそのスーツは、キクの体温とその形をありありと俺の指先に伝えた。
時に華奢であり、時に優雅であり、時に豊満であるというその意見はあくまで客観的なものであり、時には如何なる花や宝石よりも美しく、そして如何なる金属よりも強靭であることを俺は知っている。
過去にキクと共に戦闘を行った際、俺はそれを存分に思い知った。
その美しく勇ましい姿は、俺を含め、その場に居合わせた物を魂ごと陶酔させた。
今、俺はそんなキクと限りなく一つでいる。
キクもそのことを至福と思い、俺の背中に回した手で、強く引き締める。痛いほどに。
それが、口数少ないキクの愛情表現なのだから。
確かな体温と感触を感じながら、俺の指先はキクの胸に辿りついた。
しなやかに引き締まったキクの体で、唯一豊満である部分。
そこには、何とも表現しがたい、際限なく俺を引き寄せる魅力がある。
優しく手で包み込むと、その指が半ば埋もれてしまいそうだ。
「ん・・・・・・ぁ・・・・・・はぁ・・・・・・。」
それに反応し、キクの口から僅かな吐息が漏れ、キクの手が、俺の手に優しく触れる。
この感触・・・・・どこか安心を感じる。
無防備な俺の欲望は、片手ではなく両手でキクの胸に触れさせた。
「あっ・・・・・・!」
突然、キクが驚いたように、小さく声を上げた。
「ごめん・・・・・・痛かった?」
「ううん・・・・・・違うの・・・・・・なんか・・・・・・気持ちよくて・・・・・・。」
キクも感じていてくれる。
二人で、この感覚が共有できる。
俺は有頂天になり、もはや今夜は眠れまいと覚悟した。
「たいと・・・・・そこ、すきなの?」
「ああ・・・・・・。」
「じゃあ、ずっとそうしていて・・・・・・たいとのすきにしても、いいよ・・・・・・。」
キクの言葉に、俺の心までもが包み込まれたようだった。
俺は胸から手を離すと、自分の頬をその豊満な胸へと触れさせた。
まるで子供だが・・・・・・。
だが・・・・・・なんて心地よいんだ・・・・・・。
「たぃ・・・・・・と・・・・・・。」
キクの両腕が、俺の頭を包み込んだ。
その瞬間、ようやく意識の中に睡魔が訪れたことを知った。
このままこの感触を味わっていたいが、この睡魔はキクのもたらしたもの。
俺はこのままキクに抱かれながら、眠りにつく、と言うことか。
それもまた至福・・・・・・。
キク・・・・・・。
今日だけは・・・・・・感情の舵が効かない、今日だけは・・・・・・俺の我侭を・・・・・・聞いて・・・・・ほしい。
せめて、今夜だけ・・・・・・は・・・・・・。
この俺に、甘えさせてくれ・・・・・・。
SUCCESSORs OF JIHAD 第四十三話「眠れぬ夜」
帯人はキクちゃん第一に生きてると思うよそれはキクも同じだよ二人は街中でデート中でもキスとか普通だよおさわりもよゆうだよむしろ自然に求めてくるよ帯人もキクもお互い体のすみずみまで愛してると思うよ二人の趣味は芝生の庭で日向ぼっことかいいと思うよ戦う時も二人で無双乱舞出すよゲームとかだと必ず2Pだよ二人とも離れていると寂しくてキクちゃんなんか泣き出すよ帯人狙うボカロいっぱいいるけどキクちゃんが許さんよ鬼になるよ帯人もキクちゃんに手を出した奴八つ裂きだよ二人は永遠に一つだけど知識がないからなかなか一線越えないよキクちゃんは帯人なら何をされても大喜びだよ帯人もキクちゃんが望むなら命賭けるよ新婚もびっくりのイチャイチャ振りだよ二人はボカロで最高のバカップルだよ幸せすぎるよコンチクショウ
俺、超帯キク主義者。
キクちゃんの胸は結構あると思うよ。
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