【第十三話】NEGOTIATION

 私は確かに夕飯を食べて、お風呂に入って、ちょっと小さいケーキを食べて、ベットに入って寝たはずだ。

 うん。確かにそうだ。

 じゃあ、ここはどこ?

 目が醒めると、そこは見知らぬ場所だった。

 「…??…どこ、ここは…?」

 あたりを見回しても、何もない。
本当に何もない。

 一面が真っ白。

 「………?」

 状況がうまく理解できない私は、ただただここはどこだと、考えることしかできなかった。

 

 『やっほ――――っ』



 頭に突如響く声。

 声の主は大体分かる。
この声は聞いたことがある。


 「ミク…さ…」


 『わぁ、覚えてくれてたんだね―。ありがとう。でね?今日ここに来たのには理由があってさ?まあ、なんとなくわかっちゃってると思うんだけどね?』

 テンションが…高い。
前に来た時は…、こんなんだったけ?

 「何ですか…私に…何か用事が……」

 『うんそうそう。わざわざ説明文省いてくれてありがとう。で、本題はと言うと、リンちゃんを秘密組織にどうしても欲しい人材と定めたので、こんな【ガラクタ】の中から救い出しに来てあげたというわけなのでーすっ』

 「……嫌です」

 『うん。まあそういうと思ってたよ。じゃあ力ずくで取り込むしかないってことも…』


 目の前にミクさんが現れた。
そして、ひとつ、歪な笑みを浮かべてから、消えた。

 「!!??」

 私は慌てて立ち上がって、そこまで走って行ったがもう誰もいない。

 “どこ…?”

 そんなにカッコつけて、探していたのが私の欠点だった。

 


 『わかってるから……』




 「…ぐは!!?」


 息が、一瞬にしてできなくなる。
後ろから、ミクさんに…正しくはミクさんの魔術に首を絞められているからだ。

 ―――パリンッ

 私はなぜか腰にぶら下げていた剣から光を放出し、魔術を破壊した。


 『へーそんなことも、もうできるようになったんだ―?早いなあ―。―――ますます欲しくなっちゃうわ…』


 「!!?」

 とっさに剣をつかみ、体勢を整える。
いつ、どこから攻撃してくるか、わからない。

 『ねえ、ところでリンちゃん。私の2つ名って知ってる?』

 「知りません」

 『そうだよねー、興味もなさそうだもんね―。でも、ここではそれ知っとかないと、ダメかもね…?』

 「どういう意味ですか」

 『こういう意味だよ?私の二つ名は――《斬殺者》…【キラー】』


 キラー。


 意味はわかる。
名前も知ってる。
彼の有名なゲームソフト「スーパーマ○オ」にも出てるしね。


 『私の魔術は何だって創れるから。でも、人と戦う時、殺すときは―――剣で殺す。この名前を付けた人は、ネーミングセンスないし、しかも皮肉ね。《斬って殺す》と《惨殺者》をかけるなんて』

 ああ、分かった。
この人の言いたいこと。

 「殺されたくないなら、組織へ来い―――と?」

 『せーいか―い!!まあここまで言っちゃったらわかるよね。ってことで、いっくよ――?』



 ――――ドッッッ!!!!!!!!!!!




 そんな音とともに、ミクさんは思い切りこちらに魔術を出してきた。

 グミさんに教えてもらった能力はわかってる。
後はレンの言ってたようにイメージするだけ。


 ――――こぉぉおおおおおおおああああああああああああああ!!!



 ミクさんの魔術を私の剣が吸い込んで、纏わせる。

 それを思い切り放出。



 『やるじゃない?』



 そんな声お構いなしに、私は剣を振り続ける。



 『じゃ、容赦なしで―――――【逆月】―――』





 とたんに無くなる――地面。


 無くなったはずの地面が、見上げたところにあった。




 「さかさま―――!??」








 私の体は地面に叩きつけられるように激突し、何とも言えない激痛が走る。






 虚ろな目で見上げた先には―――。








 楽しそうに、まるでお遊戯会のように、嗤う、ミクさんがいた。













ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

CrossOVER NoIsE.

《斬殺者》と書いて【キラー】と読みます。
昨日、寝てるときに思いつきましたww

忘れないようにしてたら、寝れなかった…。

閲覧数:127

投稿日:2012/08/13 16:37:12

文字数:1,745文字

カテゴリ:小説

  • コメント3

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    ダークミクきたー!ww
    惚れるわーww
    敵キャラが、魅力的じゃないと話が盛り上がらないですもんね!

    2012/09/26 17:44:34

    • イズミ草

      イズミ草

      おお!!
      魅力的に書けてますか!?
      そりゃよかった!!!(ほっ)

      ダークミクはホントに、評判いいですねーww^^;(ダークなのにww

      2012/09/26 17:52:46

  • Turndog~ターンドッグ~

    Turndog~ターンドッグ~

    ご意見・ご感想

    『心透視』と書いて「こころみ」と読むように。
    こういう読み方は実にカッコいいwww
    ただしリンちゃん、マ○オシリーズのキラーは斬れないですよバクハツしますよ。
    なんかミクさんも楽しそうな方向にバクハツしてるけどwww


    嗤う。嗤う。舞う。舞う。
    楽しそうだねえミク、ちょっとこっちに来てストレス発散においで(だからやめれ

    2012/08/13 12:15:46

    • イズミ草

      イズミ草

      小説だったらルビを横にふれるのに…。
      こういうところは不便ですよねww

      ぁ、ほんとだww
      爆発したら、この空間どうなるんだろう??
      ある意味ミクさんとキラーは似てるかも??www

      あんまり勉強してたら、寿命縮みますよ!
      いつでも、息抜きに来てくださいねww

      2012/08/13 16:33:39

  • つかさ君

    つかさ君

    ご意見・ご感想

    リン強ぇええΣ

    そして、ミク怖い...
    でも、ちょっと格好良いとか思ってみたり(((

    2012/08/13 10:27:31

    • イズミ草

      イズミ草

      もっと強くしたいww
      欠陥品じゃないからという理由で、どんどん進化させられるというww

      私の作品のミクは、ちょっと怖めが多いかも??

      2012/08/13 16:31:07

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