完成したのは、僕の望むようには動かない、ひねくれたニンギョウだった。













「ハカセ」
「何?リン」
「最近寝テイマセンヨ」
「うん。そうだね」
「チャント寝テクダサイ」
「そのうちね」
「今寝テクダサイ。博士、眼ノ下ニ隈ガ出来テルジャナイデスカ。寝不足ノ証拠デス。チャント睡眠ヲトラナイトソノウチ倒レテシマイマスヨ。ソウナッタライロンナ仕事ニ支障ガ出テ…」
「五月蝿い!僕に構うな!あっちに行ってろ!」
「ワカリマシタ。チャント寝テクダサイネ」
「……」




うざい。只のロボットがいちいちいちいち!僕は僕のしたいようにし、やりたいようにやるんだ!
今は新しいロボットが作りたいんだよ!




「…博士」
「…何だよ」
「コーヒーヲ淹レテキマシタ。ドウゾ」
「…有難う」




不意に、リンに違和感を持った。
いや、ずっとあったのに気付かないフリをしていたんだ。
彼女は与えられた仕事を忠実にこなし、何一つミスがない。
人間に似せて造ったのに、人間に似ていないんだ。何故だ…?





「博士」
「今度はなんだ」
「感情ッテ、ナンデスカ?」
「!!」





気付いた。彼女は、人間のココロを持っていない。だから、人間に似てない。
いや、似ることが出来ない。
それなら似せるためにどうすればいい?
ココロを造ればいい!!






「リン!今すぐこれを片付けてくれ!」
「ハイ。今度ハ何ヲスルンデスカ?」
「君を造るんだ!」
「…私ヲ、造ル?」
「ああ!いいか、ココロについて、学ぼう!」
「…“ココロ”?」
「ココロだ、ココロだ!!ココロを造れば、君は完成する!」
「“ココロ”…」





―――――――――――





“ココロ”
彼ハソレニツイテイロイロ話シタ。



喜ブコト、悲シムコト。



彼ノ顔ハ、私二内蔵サレテイルデータデハ、嬉シイ、トイウ感情ニ似テイタ。
ソノ感情ノママ、私ニ“ココロ”ヲ教エテクレタ。
全テ興味深イ内容ダッタ。
モット知リタイト思ッタ。
何故ナラ、話ノ全テガ私ノ理解ヲ超エテイタカラ。





私ハ“ココロ”ニツイテモット知リタイ…―――――――!!





―――――――――――






「ふぁー。そろそろ寝るか…」
「博士。博士ニテレビ電話ガ…」
「んー?どうせマスコミだろ。無視して」
「ハイ」
「リン。僕は仮眠をとるからおやつの時間になったら起こして」
「…ソレハ3時ノオヤツヲ用意シテ起コセト?」
「正解。おやすみー」







―――――――――――






「…かせ、ハカセ」
「ん?もう3時?」
「ハイ。3時46秒デス。46秒起キルノガ遅イデスヨ」
「そこまで細かくなくていいかなー…。そういえばおやつは?」
「アア、今日ノオヤツハ博士ノ好物デアルバナナチョコケーキデス。瑠香サンノ手作リデスヨ」
「おお!うまそー!いただきまーす!」
「ア、ソウダ、博士」
「何?」
「先程ノテレビ電話、全テ録画サレマシタ」
「何で??」
「先方ガ録画スルヨウニ設定シタノデス」
「ふ~ん…。流して」






―――――――――――






録画されたものを見て僕は驚愕した。
それと同時に彼女がさらに愛おしくなった。
やはり、彼女は奇跡の塊だ。



「博士…?」
「ありがとう、リン。生まれてきてくれて」
「造ッタノハ貴方ジャナイデスカ。デモ、コチラコソ、造ッテイタダイテ、アリガトウゴザイマス」
「そうだな。リン、生きてて、楽しい?」
「楽シイカドウカハワカリマセン。ダケド、博士ニ頭ヲ撫デラレルト、不思議ナ感ジガシマス」
「嫌?」
「嫌デハナイデス。只、コレガドンナ感情ナノカハワカラナイデス」
「そっか…」
「嬉シイ、トハコンナカンジナンデスカネ?」
「…無理にわかろうとしなくてもいいよ。君は将来、…何百年先になるかわからないけど、絶対に“ココロ”がわかるようになるから」
「…ハイ!」







そして僕は、彼女が“ココロ”を知るまで、“ココロ”を造り続ける。



たとえ、永遠《トワ》になろうとも……―――――――!!

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ココロ・キセキ(予想通り突発小説)

SOS生存者ありー。
昨日部活帰りに死にかけたsharlです。
明後日文化発表会とかー。
リア充とともに爆発しちまえ。
はい、今回も即興=突発です。
俺の中では即興=突発の方程式が成り立ってます。
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…
ココロ・キセキの漫画を描くって言いましたね。
ちゃんと書いてました。
あとから読み返してネタごと没にしました。
新しいネタがちゃんとあるのでご安心ください。
いやね、没にした理由はちゃんとあんのよ?
長いからwww
数えただけで40ページは超えそうだったんだもん。
読者さんだって気力がもたないだろうし、
挫折&スランプ中だぜ?
無理無理。ってことで、もうしばらくお待ちを。

閲覧数:233

投稿日:2011/09/14 21:15:55

文字数:1,724文字

カテゴリ:小説

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  • 那月

    那月

    ご意見・ご感想

    お疲れ様です(?)ですか?

    小説頑張ってくださいー

    2011/09/16 20:36:08

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