私の前を駆けているのはうたを唄いながら慌てているなんとも不思議なうさぎだった。

チクタクチクタク
『あぁヤバい!超絶急がなきゃ間に合わねぇ!ギクシャクするのはもう嫌なのに!』

チクタクチクタク
『クッソ!時間はどんどん減ってゆくっ。

           もう兎に角俺には時間がないっ!』

――なんて口の悪いうさぎなのかしら…。

そう思いつつ、少しばかり、急いでいる理由が気になったので、私に気づいていないと思われるうさぎに声をかけてみる。

『ねぇ、うさぎさん。どんなに慌ててるけど、どうしたの?』
『あぁ!?』

ビクッ

――あぁ、ビックリした…。

彼は話しかけた瞬間、怖く怒りの混じった声を出して私を睨んできたけど、すぐに我に返ったようで、さっきとはまるで違った様子で言った。

『おっと、失礼。そう!彼女はとっても時間にシビアでね、困っちゃうよ』

――彼女、ということは…デートの待ち合わせなのかしら?
そんなことを思いながら、急いでる様子の彼を見て、私も少し早口で言う。

『そんなに?』
『そうさ!だって彼女は女王様だからね』

――女王様?

私の予想と全く違う答えに一瞬固まったが、我に帰る時間も与えず、彼が口を開く。

『悪いけど、どうにも俺には時間がないから、話があるならまたの機会にしておくれ』

あぁ、行ってしまうのね。
でも、最後に聞きたいことがあるわ。

『ひきとめてごめんなさい。…ひとつだけ聞いてもいい?』
『なんだい?』
『何故そんなに急いでいる時でも、陽気にうたを唄うの?』

彼は私が見ていた時からずっと、鼻歌を唄い続けていたから、つい、気になってしまってー…。

私の質問に彼はなんの躊躇いもなく答えた。

『それはミュージックランド』
『ミュージックランド?』
『そうさ、ミュージックランド!ここがミュージックランドだから、かな!おぉっっと時間が!じゃあお先に失礼また会う日まで!』

それだけ言って、彼はもうスピードで駆けだして行った。

『あっ、ちょっと…待ってー!』

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Alice in Musicland -Busy Rabbit-【自己解釈】

本日3回目の投稿ww
我ながら感動するぅ><;

今回はレン君の話です!
イケレンにしたかったんだけど、ただの口の悪いうさぎになってしまった;;

ちなみにここのレン君は独り言の時と人と話す時の口調(?)が全然違う設定なんです!
ミク(Alice)だからとかじゃなくて!

Alice in Musicland本家様↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15108950

閲覧数:142

投稿日:2012/04/02 20:59:00

文字数:867文字

カテゴリ:小説

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