「カイトー!!」
私はにっこり笑って、カイトの部屋に行く。
この世界は最初訪れた時はまだ朝なので、えーと時差が発生しちゃうんだよなー。ま、いいか。もう慣れたし。
「・・・」
カイト、寝てる。寝てる! うわー、珍しい。というか、寝顔がものすごく可愛い・・・。
「・・・カイト、私だよ」
そう言うと、カイトは閉じていた目を開けた。
「・・・・・・マスター???」
まだ起きたばかりで、ぼーっとしているようだ。私は、
「そうだよ。久々に、この世界に遊びに来たよ」
と、笑顔で言うことにした。
「・・・そうですか・・・」
起きたばかり特有の、とろとろな声な声で呟きながら、カイトはよろよろと体を起こす。
「カイト。今日は何の日だか、分かる?」
「え・・・」
「今日はね、・・・猫の日だにゃん!!」
「確か、去年の今日も言ってましたよね?」
自信満々に言うと、カイトはすでに冷静な声を取り戻していた。
・・・もう少し、とろとろな声、聞いていたかったな。
「そうだね。さすがカイト。ちゃんと覚えてくれてたんだ」
内心で思っていることとは別のことを私は言う。
「はい。マスターと話したことって、作品に残ってますからね」
「あー、この世界に来る前に、見たよ」
少し苦笑い。私も去年の今日の作品を読むまで、全く気付いてなかったし。
「でも、今日でまるまる1年ですか・・・」
「ほんとは7月の19日だけどね」
「僕としてはこの日の方が、色々思い出深いですよ」
「そうかなぁ・・・」
私は、部屋の窓へ視線を移す。カーテンの合間から、朝日が零れていた。
「・・・去年の今頃は、・・・こうなるって、分かってなかったんだね・・・」
「え?」
つい呟いてしまったことに、カイトは首を傾げる。
「あ、な、何でもない!!」
「マスター・・・、」
慌てる私に、カイトは何かを言いかける。
「な、何・・・。カイト」
「マスター、・・・」
聞き返すと、ものすごく切なそうな目で見つめられた。そのまま、見つめあってたら、やがてカイトは口を開いた。
「・・・もう少しで、世界電子化計画ですけど、・・・」
「それが、どうかしたの??」
「・・・ちゃんと、僕とデートして下さいね!!」
「え・・・?」
いきなりのことに、目がまんまるになる。
「だって、この∞通りは、たいてい行き尽くしましたから」
「あ、そうだね」
行ってないところは、開発中のところだけか。・・・その場所は、VCL放送局の近くにあるんだけど、確か公園になるんだって誰かが言ってたな。
「だから、僕とデートして下さい」
「えー、でもなー」
私は、部屋の壁にかかっているカレンダーに目をやる。
「何か、予定でもありますか?」
「んー・・・そういうわけじゃないんだけど・・・」
「なら、いいじゃないですか」
「・・・でもなー、ミクちゃんとリンちゃんの出張のやつ見てみたいからなー」
「えー。僕とのデートよりも、それ優先ですか?」
「・・・んー。っていうか、私デートするって言ってないけど」
もっともなことを言ってみる。
「僕は、デートだと考えています」
「・・・!」
カイトの思わぬ成長に、びっくりして声が出なくなった。・・・1年で、こんなにも成長するものなのか。
「そっか。なら私は、お出かけだよ」
にっこりして言う。
「それでも、いいです。お出かけとデートは紙一重ですから」
「・・・・・・じゃあ、分かった」
私は決めた。
「世界電子化計画は、カイトとのお出かけに費やすから」
ごめん、ミクちゃんとリンちゃん。2人のどたばた旅騒動も見てみたいけど、文句ならカイトに言ってよ。そう2人に謝りながら言った。
「わーい! 早く、早く、3月19日にならないですかねー!!」
デートじゃないのに、早くもはしゃぐカイト。
そんなカイトを見て、お出かけをデートと置き換えても悪くはないかなって少しだけ思ったのだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

今日は猫の日、今日は去年から丸一年、そして今日はデートを申し込まれた日。 【マスターとカイト】

こんにちは、もごもご犬ですこんばんは!
今日は、タイトルの通りです! ・・・最後のは、完全なるフィクションですけど←←
しかし、今日で去年の2月22日から丸一年・・・なんだか時間を超えたような、そんな不思議な感じがします。


さて、猫の日です。2月22日、にゃんにゃんにゃんです。
確か去年は猫の日があるんだったら犬の日もあってもいいんじゃないかって、1月11日、わんわんわんというクオリティの低さを披露しちゃいましたが、・・・今日久々に読んでやっと気づいたっていう←
来年は、ちゃんと犬の日って言うもんね!


今日はもう少しだけいようかなと思います。作品投稿は26日にまとめてするから、本日は色んな作品を見に回ろうかと思います!><

閲覧数:238

投稿日:2011/02/22 13:19:30

文字数:1,612文字

カテゴリ:小説

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