【from : 始音海斗 】
メイコさん、お久しぶりです。
始音海斗です
もう高校を卒業して2年が経ちますね
2月17日、お呼ばれしているライブの関係で▲▼▲に訪れる予定です
もしその近くの日にちでメイコさんの都合がつく日があれば会って話がしたいです
気に障ったのなら返信は無くて構いません
---
「好きだなぁ、やっぱり」
『ん、どうしたのカイト?やっぱりあたしを振ったことを撤回したいって??』
「言ってないよそんなこと。ってか俺今なんか言った……?」
『……なーんも。何も言ってないよ、たぶん。』
「何それ、俺絶対なんか言ってたみたいな感じのアレでしょ』
『何も言ってないよ、多分。で、今回私を素晴らしく光の速さのごとく即答で振ってくれたカイトくんをわざわざ話があると私の結構気に入ってるカフェに呼んだのには訳があります』
「その話いちいち蒸し返さなくて良くない……?せっかくこのカフェいいなぁと思ったのに来にくくなる」
『なれなれ〜!女を瞬速で振るこのクソモラル欠如野郎〜!』
「個室でもなんでもない普通のカフェでそこそこ通るボーカリストの声でその話するお前も大概クソモラル欠如野郎だよ……」
目の前に居るのが今や生ける伝説の歌姫だなんて呼ばれているあの初音ミクだなんて到底思えないだろう
今でこそやっと砕けた口調で会話出来るようになったものの年下でもなんて言ったってあの歌姫だ
まあ今いるのは普通の18才の少々うざったい少女だが。
『とまあふざけすぎたところで本題に入るんだけど、単刀直入に言って今週末からの私初音ミクのライブツアー20××の2/17▲▼▲公演にゲストで出て欲しいんだけど』
「あの話題になったシークレットツーマンのやつね。それは純粋に音楽面で?」
『そうに決まってるでしょ。私がそんな全く関係ないプライベートの話を仕事に持ち込むと思』
「思うわこの流れじゃ」
『ごめんごめん。それとこれとは別だよ、純粋に出て欲しい。まあ日にちも近いし大分ダメ元みたいなところはあるんだけど』
「……あの初音ミクとツーマンなんて断れる訳ないでしょ。俺で良ければ喜んで出させて頂きたいです」
『本当に!?今回は原点に立ち戻って久々にドームとかじゃなくてライブハウスでやるんだけど、そこにこれからって感じの人を呼びたいなぁと思ってて。
君のことは実は路上に誰も立ち止まらないときから知ってて、いつかこの子と絶対共演したいと思ってたんだ。』
「初音さんのようなこの世界の大先輩にそう言っていただけるなんて光栄です」
『なんか面白いけど硬いのやめてよ〜!だいたい実年齢で言ったらカイトのほうが1つ上だし』
「今や国民的歌姫の君を敵に回したくはないからね。っていうか素朴な疑問なんだけど、歌姫路上の歌なんて聞く機会あるんだ」
『あそこの駅の近くにスタジオがあって、しょっちゅう外に出てはバレるかバレないかゲームって遊んでたんだ』
「それリスク高すぎじゃん……見つかったらドッタンバッタン大騒ぎどころじゃ済まないんじゃ」
『そーれがまた面白いんだなぁ!まあとりあえずそういうわけだよ。ところで本題はあっという間に思ったよりスムーズに終わったしここからはプライベートで聞きたいことがあるんだけど』
『カイトくんが彼女居ないのに私を秒速で振ったわけを知りたい』
*
ちょうどあの発言のあと頼んでいたカフェラテと少し早めのランチが届いて、話は目の前の可愛いラテアートと鮮やかな盛り付けに切り替わり、あっという間にお腹は満たされる
『…で、さっきの話だけど』
「さっきってあのライブの話?喜んで出させていただきたいと思」
『それは仕事。プライベートのほう』
「あー……俺は彼女とか作る気は無いよ、そもそも」
『嘘でしょ、ぜっっったい嘘でしょ!吐くまで帰さないからな!』
「女子は本当に恋バナ好きだね」
『興味だよ 私という人間が君に沸いたひとつの興味 だって君みたいに夢を追いかけるには時には正攻法じゃない手段だって必要だ。そんな時に目の前にいきなり国民的歌姫が現れ”君のことが好きかも”だなんて普通の人間なら眼中にないにしろ少しは考えるか機嫌を損ねないよう気を使ってちょっと間をおくかするでしょう』
「……それって逆に不誠実だと思うし、俺は正攻法で叶えたいと思ってるから」
『いや別にずるい手段を使えと君に提示しているわけでは無くて。即答ってのにも驚いたんだけど、君って恋愛に無頓着そうにはとても見えないしきっとずっと心の中に引っかかってるそういういざこざがあるのかなぁと思って』
「聞いて何になる?」
『面白い話だったら創作に使えるし、くだらないことなら私が笑い飛ばしてとりあえず君の彼女になるし、ダメそうなら仕方なく背中を押すくらいはしてあげるよ』
「……クソダサい話だよ、もう2年前になる」
『えっそれって高校時代ってやつ?いいなぁ青春』
「……まあ青春だったよそこそこ。好きな子がいて、ずっと一緒にいて。でも恋愛対象じゃないみたいなことを冷たい口調で言われてたって知って、それを知ったあたりからちょっとしんどくてなんか向こうもぎこちなくなってそのまま自宅研修期間入って、卒業して、それだけ。本当にダサい話。」
『君がそんなにダサいわけないじゃん、もうちょっと詳しく言い訳して』
「クラスが崩壊してて俺とその子は同じクラスでクラス委員やってて、結構口うるさく二人で注意してたから割とクラスメートから反感買ってて悪口とかあることないこととか流されたし悪口も結構言われた。その子に関するあることないことも。あと受験でいつまでも志望校が俺だけE判なのにずっと焦ってた。」
『うわあボロボロだね!』
「ってだけ。ってかダサい話話したんだからミクはなんでそんなに俺がいいのか教えて欲しい」
『え、やだよそんなの。聞いたってどうせ心変わりしてくれないんでしょ?絶対言わない。まあ要するに他人に引き離されて気まずくなって次第に関係がフェードアウトしたその子のことが君は今でも好きなんでしょ?』
「……<今でも>って最高にムシのいい言葉だと思わない?それがどうしたって話じゃん。叶わないだけの一方的な引きずった感情でしかない」
『それでも今でも好きなんでしょ?』
「うん、そうだよ引きずってるよずっと。好き同士でも付き合ってもいなかったくせに今になっても引きずってる」
『……メール』
『メールしなよ、それか会うとか。頭の中で2度と会えないその偶像をずっと反芻させて生きていくのは辛いと思うし、どうせならもう最後の機会ってことで全部吐けば?』
「死ねって言ってるの?」
『囚われてるままのあんたは溺れてるじゃん、どっちみち死ぬのは同じでしょ』
「歌姫何言ってるのかちょっと理解できない」
『とりあえずダメだったら慰めてあげるから。あんたは自分が思ってるほどダサくないし』
「冷静に考えてなんで俺は今初音ミクに恋バナ応援されてるんだマジで……」
『まあまあ細かいことは考えないでとりあえず前に進んでみなよ』
歌姫に携帯を奪われる。ロックナンバーを何故か軽々と入力しあっという間に赤い彼女の連絡先を表示する
「あれ俺お前に名前教えたことあったっけ……?」
『パーッとそれっぽいメールの履歴から今探したけど合ってたんだ〜!とりあえずすぐカイトの意思で彼女にアクションのメールを打たないと私が勝手に[好きです]って書いて送信するぞ!』
「もうやだ。。。歌姫ほんとやだ。。。ほうじ茶アイスください。。。」
『話を逸らすな。私も一つお願いします』
「わかったからとりあえず携帯返して」
この馬鹿みたいな急展開がどう転ぶかなんてもう知りたくもないし想像したくもない
「っていうかなんでミクは自分を振った男にここまでしてくれちゃったりするわけ」
『だから君が振り向いてくれないなら言いたくないって言ったじゃん』
「好かれてんだか嫌われてるんだか…」
『はいはい、早くメール書かなくていいの〜?アイスくる前に送信してなかったらカイトの分もアイス食べるからね!』
「卑怯、歌姫ほんっっっと卑怯」
無事送信ボタンを震える手で押してジャストタイミングで来たほうじ茶アイスで久々に使った頭のパーツをクールダウンさせ、「アイスは最高」なんて現実逃避しながら舌鼓をうつ俺の向かいの緑髪がどんな表情をしていたかは知らない
【KAITO・初音】未熟b【カイ→←メイ前提】
やばい時って放置してた小説が進みますよね〜〜〜〜わかる〜〜〜〜!!!!!!(わかって)
あと少し校正するだけだったやつを何故か今直しました。ミクカイ要素多めですね。作者はカイメイ固定厨です。
初音さんの性格が少々初音…?となりすぎててアッレとなっていたのが書いてすぐ出せなくて眠っていた理由なんですがもうこれどうにもならねえ!と諦めました!私の好みのタイプになってます!どうにもなりませんでした!ごめんなさい!プライベートではいたずらかつ本音が見えにくくふわふわしてる茶目っ気のある歌姫ってことになってます私の中では 悪い子ではないんです…
とても情けない私情がありまして、ちょっとほんとこんなことしてる場合じゃなくて次の季節に完全に移り変わるまで顔を出せません。でもまたかなりあ荘でイベントで小説とか書きたいです〜!創作欲に死ぬほど飢えてます!
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