降り止まない雨はないと信じ
 疲れ切るその頃には
 手の平を擦り抜ける雨以外
 もう何も残されてなかった


 生まれる前に聴いた
 世界を抱(だ)く夜の中
 泣き続けるのは誰?
 白い月を抱き寄せた

 体は鉛のよう
 ノイズに融けてしまうよ
 窓を叩くのは誰?
 音に呑まれないように

 いつか雨が止んだなら
 部屋から出られるのかな
 けぶる視界の向こうに
 ぽつんと佇んでたキミ

 息苦しいほどの低気圧が
 容赦なく雨を降らす
 そこにいるのは寒くないのかい?
 「君をそこから連れ出すまでは」


 うずくまったベッドは
 あたたかいけど それでも
 泣き続けるのはなぜ?
 誰もいない部屋の中

 体が冷えない分
 心は冷め切ったまま
 窓を叩くのはキミ?
 その手に一本の傘

 「いつから外に出てない?
 外は君がいない間(ま)に
 随分様変わりした
 一緒に見に行こうよ、ねぇ」

 降り止まない雨を遮る為
 傘はあると笑うキミ
 ずっと望んでたのは そう一つ
 部屋(ここ)を出る理由が欲しかった

 差し出された傘は一人用で
 肩が濡れてしまうけど
 それでも冷たさに耐えれるのは
 キミが隣でお揃いだから
 アイを二人で分け合えるから

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

愛哀傘

コラボ用に書き下ろさせてもらった歌詞です。
人見知りで臆病者な君のウタ。

○月×日、外は今日も雨、暗い部屋で一人きり。
抱き締めたクッションは、さみしがりやの匂いがした。

閲覧数:93

投稿日:2011/04/04 01:20:23

文字数:532文字

カテゴリ:歌詞

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