透明と飽きの片鱗に
引き裂かれてるようで

フィクションの血塗れ
絵を描く日々

浮かぶ色さえも作れず
またいつも通り
何処かの悲愴感盗んでいた


アパート、入り口の
枯れきったトピアリー
いつにも増して惨めなこと

誰かを蔑んで悦に浸る毎日だ

怠惰を棚に上げ惨めなこと


塗りたくった哀の色が消えない


少女の髪には花
唄を歌っている彼はもういない

「いつまでも待ってなんかないわ」

皮肉の受け皿、水彩絵具が滲む


貴方と行った路地裏の画廊は
今じゃカフェテリア

棲み付いた猫も見当たらないらしい

だけどこの部屋は時が止まったままで
褪せる思い出とリンネルの山

それだけが私、好きなモノよ


白檀の香りがする
今日とて


式日、鯨幕を
まだ見遣っては想っている

音なんて何も無いから
独りはあまりに死人のようだと思う


ライチの汁が垂れる
「悲しい唄、歌って欲しい」

街頭では外套の人ら

季節はとうに変わっていた


群青、霞む蛍
夏が捨てた彼は
遠い何処かの駅で待っている
気がしてしまう

季の際、アトリエの中

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

解夏忘るゝはあをの群れ

閲覧数:168

投稿日:2018/04/11 21:25:49

文字数:474文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました