「そんな! 僕は心配したんだぞ?! あの爆発に巻き込まれて、もしかしたら君が死んだのではないか、と……」

「うっさい。アイス大好きだからってクールを気取ってんじゃないわよ?」

「いや気取ってるわけではないんだが……」

カイトはすっかりメイコのペースに乗せられていた。

「……ったく僕は急がなくちゃなんないんだ。彼女を探すために」

「あぁ。彼女なら――」

パシュ、と何かを発射したような音が響いた。

そして、

「ここにいるけど?」

煙が消えたそこには、彼女――弱音ハクが立っていた。


***


そのころ。

「グミ?! なんであんたがここに?!」

「細かいことは気にしないの。とりあえず部外者に説明しとくべきっしょ?」

グミはスマートフォン――もう説明するのも飽きたのでなんかのインターフェースということにしておこう――を弄りながら、言った。

「私たちは、『別の世界』から来た人間よ。そう……弱音ハクが執筆した小説『僕と彼女の不思議な日常』と『僕と彼女の不思議な校内探検』の世界から」

グミはリンに唐突に真実を告げた。

しかし、

「……え?」

リンの反応はグミやミク、ルカが予想したよりも、薄い反応であった。

「なんとなくわかってたよ。だって、あんたたちこの世界の人間の割には常識が為ってないもん」

……ごもっともである。

「で? なんでハクさんに会いに来たの?」

「その話を聞いててなお理解していないとかなんという天然……」

「なんか言った?」






『リンの にらみつけるこうげき!
 ミクたちの こうげきりょくが すごくさがった!』






「……って、違うでしょ!!」

「ああ。そうだった。実際はぼうぎょりょくだっけ?」


そうじゃなくてっ!! 二人の声が、空にこだました。



***



「ハク?! なぜここに!!」

「……あなたに言われる筋合いはない。それと、あなたが欲しいのはこれ?」

そう言ってハクは何かを取り出した。

それは、

「そ…… それは!!」

彼女がもっていたのは黒い、ルービックキューブのようなもの。

「あなたもこれを知っているでしょう?」

くすり、とハクは笑みを浮かべる。

「……world order……!! 何をしようとしているんだ……!!」

「そう、world order。世界の秩序を守る最後の砦。これを使うと……どうなるか、あなたにもわかっているんでしょう? 仮初の秩序を守る者よ?」






つづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

僕と彼女の不思議な校内探検 27【リレー】

ちょっと長いです。そして終わる気がしません。

仮初の秩序が、本物の秩序と戦う。

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※あとがきをブログ(http://d.hatena.ne.jp/natsumeecho/)に公開しています。よければご覧ください。

閲覧数:328

投稿日:2012/01/04 21:23:04

文字数:1,065文字

カテゴリ:小説

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