≪カスカナイノリ≫


「まさに世界の終わりみたいだね」
なんて呟いた君の眼はどこを見ていたの?


ブラウン管から伝わる悲惨な悲劇も
映画を見るように記憶から抜け落ちる
挙げ句、響かぬ想い 心は痛まず
労る気持ちを流され真似る


「被災に遭った人の涙を見てると私まで心が痛い」
という君
でもテレビを消してしまうと、災害なんてなかったかのよう
ただ少しの体感と、うるさい自分の携帯だけが
俺に現実を伝える

とてもじゃないけど
見ず知らずの人、直接見たことのない世界のために
俺は何かを出来るとは思えない
俺は冷たい人なのかな?
それとも心がないだけなのかな?

それでも一応の感情はあるのかな?
他のみんなと同じように
俺も自分のできる何かを探す


「本当に酷い 心が痛い」
…俺は本当に痛いのかい?
取り繕ったような一般論を振りかざして
今も偽善を叫ぶよ


でも、もし
俺と同じ性別・年齢・身長・性格・考え方の
もう一人の俺、とでも言える人が
災害に巻き込まれて、
でも無事に生きていて、
生きていることを全力で喜んで、
今を全力で生きているとしたら…

俺は他の誰から何と言われようと、
そいつにだけは胸を張れる自分でいたい
逆の立場なら、
俺は彼のようにいたい


だから、例えこの気持ちが何であろうと
俺は今出来ることをしたい
自己満でも構わないから


「俺にはどうすることもできないのか? 毎回同じ映像を見ても…」
少しでも多くの人が幸せに暮らせますように

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

カスカナイノリ

東北・関東大震災について、筆を執らせていただきました。
正直なところ、別に応援してる詩ではないようで投稿しても良いのか不安ではあるのですが・・・

残念ながら、被災者の皆様の気持ちは弱小の自分では想像に堪えなかったので、このような形となりました。

改訂を加えられるのであれば加えていこうと思います。

閲覧数:85

投稿日:2011/03/15 01:10:16

文字数:640文字

カテゴリ:歌詞

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