暗く寒い森に隠れた
暗く寒い石の都
鴉が啼いて案山子が笑う
風が凪いで絡まる白い腕


呼ばれたのか
招かれたのか
攫われたのか
見つけたのか

何者だ
何処から来た
何のように来た
何故来た


暗く寒い森に隠れた
暗く寒い遺志の都
苔むした祭壇の碑
刻まれた文字は読めない
光は死んだ 空気は重い
ここが探し求めていたカタコンベ
此の名前は×××
彼の名前は××
遥か遠い処から歩いてきた
命を賭した全てがここにあるから

遠く遠くで石の落ちる音がしても
研ぎ澄まされた感覚が
上げる悲鳴も押し殺す
振り返れば戻れない
星ほどある部屋の隅々
頬に感じる風の気配を辿った
鼻に感じる水の匂いを辿った


暗くて寒い森に隠れた
暗くて寒い石の都
呼ばれても招かれても
攫われても見つけても
踏み入れれば―――

霞んだ視界に明かりが見えた
両眼の奥に光の花が咲く
走る足も伸ばす腕も傷を潰す
もう何も持っていなかった


あぁここにいたんだね
随分待たせてしまってごめん
やっと見つけることができたよ
もう二度と離さない
あぁ見つけてくれたのね
少しも待ってなんかいないわ
でもまた会えるなんて思ってなかった
もう二度と離さないで


カタコンベの一番奥
知られてはいけない部屋
光が溢れ 花が咲く
カタコンベの一番奥
知られてはいけない部屋
鳥が囀り 木々は揺れる
カタコンベの一番奥
知られてはいけない部屋
彼の名前は××× 彼の名前は××
カタコンベの一番奥
知られてはいけない部屋
肉は溶け 骨と化し
土と成り 無に還る


骨は残滓を抱いて
真っ白に崩れ落ちた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

静寂のカタコンベ(日本語訳)

同名曲の日本語訳です。

閲覧数:109

投稿日:2011/10/24 00:40:07

文字数:685文字

カテゴリ:歌詞

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