投稿作品10作品
もっと見る-
私の大切なあなたが私を傷つけるたびに
命が削られていく
守り育てるはずの物
受け継がれた物が
受け継がれる事なく消えていく
その虚しさも切なさも
あなたは感じる事はない
見えないナイフで心を刺して喜んでいる
狂気的なあなたが私を傷つけるたびに
あなたの命は生きながらえる...大切なあなた
-
暗い
暗い森の中に
銀の月の明かりが草原を包むころ
ブラームスが一人で
ナイチンゲールのつがいが囁いているのを聞いている
永遠の愛を見つめているその瞳を通して
沢山の哀しみは
草むらの影に
もっと暗い場所へと
逃げるようにひるがえる...5月の
-
見えなくなった
あなたの外形がカイコウズの木の影に隠れて
夏の終わりを遠くに映す
私はあの入道雲にはいない
あなたもいない
あの時の掌も言葉も
私の将来を知っている瞳も
もうただの残り香
秋の始まりの冷え冷えとした夜に
それでも私は明日の...locus
-
子供の頃に学んだ
大人たちは楽しくなさそうに生きている
空っぽの心にくたくたの体
夢を叶えようとした大人たちの残骸が
這うように歩いてるって思ってた
ずっと大人になりたくなかった
夕焼け空を走り回っていたかった
私が大きくなったら
クラスのあの子も悩んでた
私と同じことを悩んでた...真夏の楽園
-
人を信じられなくなっても生きていかなきゃいけないって
それじゃあ産まれて来なければよかったなんて
産んだあなたと産まれたあたし
どっちも産まれた事を恨んでいる
私は忌み子
毎日窓の外を眺めて目覚める時を待っていた
私を連れ去った人が言った
そんなの間違ってるって
理由はわからないけれども
窓の外の夕...夕暮れにうまれる
-
赤、白、黒、緑、水色、
無数の色達が回るコインランドリー
窓の中から明日の私が覗いてる
裏切らないようにって
きっと明日を楽しむよね?って
命をかけて回ってる
会う人みんなに見せつけて
あなただけのショーだから
くるくるくるくる
窓の外...回る服たちのささやき声
-
アマリリスの裏に隠れたのは何
青空にグラデーションとなって拡がる赤
放射線状に登っていった小さな頃のたわいもない会話
還っていく
還っていく
私はあなたを通して
あなたはずっと昔のあなたを通して
アマリリス
どうか私の言葉達を
あの幼子に...アマリリス
-
私の事を見ないで
無視して
いない事にして
そうじゃないと
きっと
あなたは私を嫌いになる
私の息の仕方や
歩き方
考え方も
きっとあなたは嫌いになる...スベテヲアイス
-
朝ご飯を食べる前に
今日が退屈しないように願う
何も新しい事がないことは分かっている
体力に限界があるから
大した事はできないって知ってる
アニメや小説のような事は起きないって
でもせめて朝ご飯ができるまでは
私は私だけのヒーロー...私のヒーロー
-
もう一度会いたいなんて
嘘
本当は毎日でも会いたい
でも毎日会ってたら
飽きてしまう
飽きてしまったから
あなたは私を傷つけた
私の心は小さな穴だらけ
新しい誰かに会いたくなって
もう二度と会いたくないって...針一本