Tam4649neの投稿作品一覧
-
「この忙しいのに、何処ほっつき歩いてやがった!? この半人前が!」
親方の丸太のような腕で頬を殴られ、反動で吹っ飛んだ少年の体はテーブルにぶつかり、
弾みで上にあったカップが倒れ、熱いコーヒーが容赦なく倒れている少年の顔にこぼれ落ちました。
「うわっ!っちっち!」
その様子を見た先輩工員達が、少年を...【二次創作】僕の君の心臓(第4章&エピローグ)
-
パンを買うお金を無くしてしまった少年は、それでも引き返すことをせずにパン屋の前までやって来ました。
無駄かも知れないと分かっていても、そうするしか無かったのです。
しばらく店の前をうろうろしていると、その様子に気付いた店主が出てきて少年に話しかけます。
「よう坊主、今日は遅かったじゃないか。」
「あ...【二次創作】僕の君の心臓(第3章)
-
その少女は、孤独でした。
生まれつき心臓が弱かった彼女は、普通の子どものように友達と遊ぶことも、
学校に通うこともできず、一日の大半をベッドの上で過ごさなければなりませんでした。
もし彼女の両親が”お屋敷”と呼ばれる大きな家に住めるような身分でなかったら、
とっくの昔に天に召されていたことでしょう。...【二次創作】僕の君の心臓(第2章)
-
短い秋が足早に通り過ぎ、色とりどりに染まった街路樹の葉が北風に煽られて舞い散る季節。
一人の少年がとぼとぼ街を歩いていました。
どこかで転んだのか、ズボンの片方が擦り切れ、覗いた膝小僧に血が滲んでいます。
しかし、今の彼にとっては怪我をしたことなんか、さっきやらかした大失態に比べたら
些細なことでし...【二次創作】僕の君の心臓 (第1章)