天沢桃稟

気づけば独りで此処に居た
微かに記憶に在る場所で
常闇に眠るキミの傍
「早く目覚めて抱きしめさせて…」
神に背く手段を選ぶ理(ことわり)も
深層に焼きついた初期衝動
ああ、刹那に願う想いが全てを巻き戻したはずなのに
幸福を嘲笑う「分岐点」
キミを不幸にするのかもしれない
でもワタシが幸せに塗り替えて...

自覚も無い　自分も無い　別人の思想に合わせて
「コレが自分」　言い聞かせて　博愛を説いてみた気か？
吐き気のするその受け売りの顔
自分の考えすら持たぬ　他人に作られたマネキン
キレイナモノの世界？　狭い価値の群れが
誘蛾灯に集まり　焼け落ち
「世界」を他人任せ　ウツクシキ擬態で
押し付けの理想郷　広...

「季節」がループする　置いていかれるようだ
「恐れ」がない恐れ　「終わり」がない苦痛
歯車が壊れて　老いて逝けない時間
称える先のアリア　聞き取れない
幾許の感覚　針すら感じ取れず
手合せの施し　無造作に押し並べて
無機質なお祈り　不必要なアイドル
慈悲たるモノも無い　秒針の先
「固着」した時間、「...

止まない雨の中　鏡に映した痕は
嘯くキミの愛？　それとも、ただの重ね合い？
ただ寂しくて　ただ触れていたくて
「熱」を愛し　「快楽」を愛し
離したくない　離れたくないのに
覗かないで！　ワタシのココロを
独りの部屋の中　乾かぬ愛情の痕
なぞって確かめた　足りない、もっと欲しいのよ
夢絵空事？　知って...

月の光映す素肌が、重なり合い鼓動高鳴る
指絡めて口付けをして、肌蹴たココロ、カラダ重ね
優しい瞳でとろけていく
最初の夜を、幸せを知る　痛みを伴い
揺られて、抱いて、受け入れて　息遣い響き
求める動き止めないで　見つめていて、ほら
熱を帯びていく影二つ　手探りで撫でて
交わり合う吐息二つ　ほら、まだ...

なんで本心に嘘をつくの？　狙いはキミの後ろにあるモノで
本題はあくまでも「副題」　なのに見透かされてる気がする
炎と水で作った愛で　既成事実を作ったコトにして
後はどうでもいいはずだったのに　今更ココロ揺らぐのは何故？
綺麗な瞳で見つめないで
胸を締め付ける　キミにうつろう
愛を誓えば、答えは出るか...