翼-ツバサ-

遥かな遠い異国の古き伝え話
蒼く　暗い　森の奥には
罪深き魔女が迷う
静かな森のほとりに高く聳える城
広く　狭い　籠の中には
醜き欲が蠢く
冬枯れ　迎えられるは六番目の妃
若く　白い　その装いは
私怨の闇を生み出す
じわりと拡がる作為の猛毒...

星づく夜に羽ばたく　見えない空の彼方へ
光溢れる未知の世界　幼い君とふたり
（マレ・フルセ・ウゴ・ウアナ）
果てしなく続く夜空を見上げて
流れ星が見えるのをいつまでも待っていた
「ここに降りてきて」と　両手を広げて
繰り返し　いつも同じ夢描いた
幾千もの光の中見渡す世界は
きっと輝かしいだろう　何よ...

落ちてゆく夜の帳　キラキラと輝いた
満月は私のよう　雲の中見え隠れ
賑やかな楽が響き　人々が踊り出す
片隅で私ひとり　いつまでも一人きり
かぼちゃの馬車も白い馬もいらないわ　欲しいのは
少しの勇気　君の笑顔　お願いよ　さあ踊りましょう
振れて回る心の針
少しだけでも振り向いて
離れてゆく君との距離
...

光儚く奪われ　寂かに揺れる世界で
重なる輪廻越えて再び　私、目覚める
絡みつく無限の過去　外せない宿命の枷
切なく泣き叫ぶ胸　涙隠して
始まりの言葉甘く　鮮明に覚えている
これが最期の願い　約束だと
ひとり孤独に耐えて　美空を駆ける
見慣れた景色そこに　遠く広がる
※光れ　哮り立つ弓矢　唸る魂貫け
...

見渡せば瓦礫の城　歩けども石道
その昔　ここはとても賑やかな大都市
みんな去っていった　みんな捨てていった
誰かここへ来てよ　僕はここにいるよ
退廃したメガロポリス　面影だけを残して
あの頃とは随分変わってしまった道を
ただひたすら歩きつづける　例え足が毀れても
それが僕に科せられたサダメ　抗えない...