作品一覧
その他
オンガク
今宵の月は儚く、冷めきった孤独な丸い氷柱だった。 桜の花弁が宙を舞う。 「はぁ、はぁ。」 私は桜の花弁が舞い降りてくるのが分かり、止めようとしていた足をそのままに走らせた。 後ろからは何かが追いかけて来る気配がしてきた。だが足を止めるわけにはいかない。 「きゃっ!」 無我夢中に走っていた精...
鬼桜