作品一覧
その他
オンガク
君が光を捨てた午後 僕はただうずくまって 立ち去る輝き 見送った 片隅に落ちていた 光の種 拾い 心の隙間に植えておく 君は言ったね 「馬鹿だよ」と 涙の雨が 僕の頬を打つ その理由すら うつろなままに 枯れたこの体が 悲しいわけじゃない...
光の種
夜の静寂(しじま)は深く 深く あなたの嘘を攫(さら)ってゆく 僕はただ俯いて 言えずに飲み込んだ言葉を 毒にして ざわつく葉のさざなみは高く 高く 僕の鼓動を急かしてゆく あなたはただ立ち止まり 冷めた笑顔の仮面を 崩していって ふと吐(つ)いた溜息 夜闇の底 沈んでいく そこにひとひらの希望 残...
凍った風