木片

光る夜の街　一人降りていく
分けもないのに涙溢れて　恋が途切れてく
春が来るまでに　可愛くなるから
赤いドレスも　黒いブーツも
うまく着てみせる
古い映画より　綺麗な恋して
星の数だとか　月の海だとか
長い夜には　少女のように　翼を広げて
夜空を見上げ　恋を夢見た　少女に戻るの
分けもないのに　歌が...

冬の風は刺すように冷たくて、息は白く、凍える手足を抱えながら喫茶店へ逃げ込む。
暖炉にくべられた火がゆらゆらと揺れて、体の芯を包み込むように暖める。
煎ったコーヒーの香ばしい香り。ブラジル、インド、アフリカ、遠い異国からの贈り物。
遠い遠い場所に思いを馳せながら、そっと一口すすると苦味とほんのりとし...

嗚呼! 哀れ嘆け疎まれし娼婦の子
嗚呼! 誰も彼も愛してなどくれないさ
さぁ! 恨め憎め村人へ呪詛を撒け
さぁ! 夜がすべて隠しているその内に
紅い雫で描け 合わせ鏡に呼びかけろ　 　
ほらほら　呪え　闇夜にすべてを抛れ！
笑う悪魔に出会ったら　君の名前を付けてあげて
醒めぬ悪夢を願うなら　彼の瞼に...

雨上がり　鮮やかに染まる　日差しに包まれ　あなたを思う
この先に　まだ 知らないことが　溢れてる　君と歩きたいな
あなたが開いた扉は　眩しすぎて　愛しさで　満ちていくの　
風と光が　輪を描く　瞳の中　溢れ出す
両手広げて抱きしめる　君の元へ　運んでく
帰り道　穏やかに落ちる　夕日に誘われ　坂道を探す...

　散々言葉を並べてみても　所詮は記号の羅列のはりぼて
　もっぱらそれでも　これしかないから　今日もしこしこ思いをつづる
　なんだから　どいつもぱっとしないな　見たよな言葉と　よくあるイメージ
　どこへ行っても　切り離せない　違う名前でやりなおしたい
　
　言葉が生まれて　何年目だ？　考えることすらバ...

老いぼれた老婆が一人　路地裏で眠っている
二度と目覚めることのない　その寝顔は何故かとても安らかで
長い長い旅路の果てに　彼女がどんな結末を迎えたのか
僕には知るよしもないけれど　最後にいい夢でも見たのかい？
あんたそんなみすぼらしいカッコをして　ろくな人生じゃなかったはずさ
一体どんな奇跡が起こっ...