のこりごと_off_vocal_BPM108
未マスタリング音源です。
歌唱:杏戸ゆげβ
「のこりごと」
わたしから
いちぬけた、
淡く伸びる
糸を眺めてた。
薄暗い帰り路
花瓶に生けた
わたしのゆびきり
その目、
欲しいくらい
好きでした。
小指に絡む糸はぎんいろ
溢れてしまう吐いた折り鶴
くるる、
くるる、
ひらひらと。
冷めてゆく掌に
浮かぶ金木犀
此岸を憂う瞼に
静けさが落ちた。
永遠に煩うの
透けてしまう声は
あなたを横切るばかり
さよならは余所へ
捨てておいて。
ざわめきに記憶が色づいている
昔日の四季を胸に閉じ込めたら
寡黙な鼓動が空回る
不可思議な提灯に火が灯る
終に添えば伏して清純なまま
冷めてゆく掌に
浮かぶ金木犀
此岸を憂う瞼に
静けさが落ちた。
永遠に煩うの
透けてしまう声は
あなたを横切るばかり
思春期が移ろいて。
うつせみから遠のいたらまばたかない
触られた髪に気づく
ただ切なさと、願いだけ遺る、願いだけ遺る。
喩え、
しをらしくても
今日ぐらいは許してね。