カナシミ/テレパス
「カナシミ/テレパス」
あの日君はうつむいたままで 声も心も凍らせたまま
僕らの嘘は ひどく滑稽で なのに君は顔色ひとつ変えず
たとえば 誰かの胸の内 すべて筒抜けで
好きとか嫌いとか嬉しいとか それから憎いとか
土砂降りの様な心の声が 君を通りすぎて
あの日君は何を見ていたの? スクリーンじゃなく僕の心の
醜いものも邪な声も 君の心を通りすぎていたなんて
たとえば 誰かに恋したり 密かに憧れたり
でも君には すべて聴こえるんだろう 聴きたくないことまで
そうして君は 何も望まず 視線を落として
あの日君はうつむいたままで 声も心も凍らせたまま
何も知らず僕はおどけてた 君の中の虚しさに気付きもせず
どうして そんな平気な顔で いられるの
心が読めるなら言いたいこと わかるだろ
…君は 怯えて
悲しいだけじゃないの、って君は 最後に僕に教えてくれた
今も君を思い出すよ 閉ざした心の僅かな隙間に触れた?
今も君は 夜空に君を想う