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【鏡音リン】狐の嫁入り

ともる

ともる

 干ばつに苦しむ村が、雨乞いのために、狐の娘を嫁入りさせた上で生け贄にしようとしました。ところが娘に恋をしてしまった婿役の男は、罠であることを伝えて逃がそうとします。狐の娘はその男が好きだったので、そのまま嫁入りし、村のため生贄になりました。すると晴天の中、大粒の涙のような雨が降り注いだのでした。――説話「狐の嫁入り」より――



以下、歌詞です↓

【狐の嫁入り】

『一番』

見初めるは永久の禊ぎ

枯れた大地に加護求め
紅の雫を捧げんと
浅き知恵でいどみ行く
化かしの巧者に

あゝと泣く言葉に気づく
己が犯した過ちに
あゝと漏れいずるは嗚咽
渡る空に悔やみて

恋とは恐ろしき
苦しみを運ぶ邪熱か
忘れることできようか
触れたるその温もりを

かすめてく 時の流れが
見せたのは はかなき夢
たわむれと 己に嘘をつき
つないだは 定めの糸

綾取りの記憶遠く


『二番』

いとしき者と故郷の未来
天秤にかけた小僧がいた
「逃げよ」と言うた背中を
引き裂いてくれようか

散ると知りても尚

花 鳥 悲しみ
風 月 闇夜に
世の姫 演目
怪異の名残歌

足掻くこともせず
忍び泣き小声
いとなみお教えするも世の幻
うなだれ宵の縁 観る音

うゝと漏れいづる嗚咽を
君の仰ぐ笑顔の裏に
ゆっくり紡ぎたかった
「遠き明日願いたもうは罪でせうか」

永きときを生きる虚しさと
逢い見た想いは
どれほど舐め続けても
熱をやどす傷のように

消えはせぬ 憎しみも
降りしきる 雨となりて
慈姑の花 鮮やかに
澄みわたる 恵みに化け

散る御贄の定め