「SKIP!」
「SKIP!」
①
オレンジ色の街並みを
覚えたての歪なスキップで
揚羽蝶を追い掛けた
階段ひとつジャンプして
何も知らないあの日の僕
みぎひだりに揺れてるステップで
坂道上って帰ってく
早送りなんて出来ないよ
転んで泣かなくなったのは
僕が強くなったからじゃない
②
幾何学模様の街角に
忘れかけた古典の文法が
万華鏡で渦巻いた
階段ひとつ回れ右
何も知らないあの日の僕
覚えたての幼稚な口笛を
鳴らして時間も越えていく
見ないふりなんて出来ないよ
我が儘言わなくなったのは
僕が偉くなったからじゃない
転ぶことが怖くなって
足を止めた僕に
「大丈夫だよ!」とあの日の
僕が走り出す
下手な僕の歌を
拾い集めてもう一度
間違いだらけの
教科書と一緒にスキップ
(間奏)
③
モノクロに染まる路地裏に
積み重ねたオトナの憂鬱で
揚羽蝶を見送った
気付けば僕は一人きり
何も知らないあの日の僕
回り道さ 秘密の冒険へ
疲れも知らずに駆けていく
真似したりなんて出来ないよ
何にも出来なくなったのは
僕が大きくなったからじゃない?
笑われるのが嫌になって
声を飲んだ僕は
「大人になった!」と
心の底から言えるかな
いつか笑い飛ばせる
不安も抱いてもう一度
間違い探しの
放課後を一緒にスキップ