filter/初音ミク
紫の色した花弁が
そっと香る鮮やかな世界で
浮ついた心をずっと
抱えてはただ 駆け回っていた
目覚めればそこにはなくて
僕はまた 今を思い知らされて
浮ついたあの日の影に
まだ凝った想いだけが絡まっている
日々はそっとたおやかに 何もなかった顔で
為す術なく巻き込まれた 僕は流されて
心が淡く染められた 風の波に飲まれて
あぁ君は何処へ行ってしまうの?
うっすらと透けるように消えた
真夏の陽炎のように
歩いてきた この道の先に
君がいた 本当はいた気がした
透明なフィルター越しに 焼き付けたphotograph
もう何も手に入らなくてもいい
何より大切なものはこの手をすり抜けた
日々はそっとたおやかに 何もなかった顔で
ただそこに在り続けた 何もなかった顔で
心が淡く染められた 風の波に飲まれて
あぁ君は何処へ行ってしまったの?
うっすらと揺らめくように消えた
真夏の陽炎のように
目覚めれば そこにいなくて
僕はまた 今を思い知らされて
Written by Poe