雨催い
手のひらの空白 欠けた切れ端
手に入れた寂寞 静寂
曖昧な幸福が救いだとして
そこにある空虚は誰のせいなの?
錆びついて色褪せたこの記憶に
怯えるように縋り付いていつか取り残されてた
雨催いの空模様は残酷な程優しく
暖かな春の陽射しを隠したまま僕を嗤う
曖昧な約束 そんな悲劇を
本当の幸いと誰が決めたの?
この昏い冷酷な慈しみが
(単なる偽善や、その場凌ぎの言葉でも)
いつかあなたの行く先照らす光になればいい
訪れていた別離は酷薄な程愛しく
鮮やかに映る景色を塞いでいく
さよなら
在り来りな言葉でも
さよなら
ありふれたドラマみたいに使い捨てられたら
彩られていた日々は緩やかに幕を閉じて
穏やかに けれど確かに移ろい
雨催いの空模様は残酷な程優しく
夕暮れに滲む雲間が僕を染める
描く先は白紙のまま