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モスマン

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私は見たのだ。あれは満月の夜のことだった。
町外れを一人、月明かりに照らされ歩いていた時、ふと、影が横切ったのだ。
周りは牧場で影になるようなものは何も無い、飛行機の飛んでいる音もしないので、私は大きな鳥が月を横切ったものだと思った。
しかし、この辺には夜行性の大型鳥類などいない。では、今飛んでいるものは何だ?
そして見上げた空には、予想通りの大きな満月と、予想外(いや、想像の範囲を超えたと言うべきだろうか、未だに信じられない自分がいる。君はこの話を信じくれないだろう。気がおかしくなったと思うかもしれないが、本当なのだ)のモノが目に飛び込んできたのだ。
それは人だった。正確には人らしきモノ、と言った方が正確だろうか。
赤い目を光らせ、月に照らされ飛ぶ姿は、私の常識から外れたものだったのだ。
私は恐怖のあまり走り出し、息も絶え絶え家にたどり着いた。

それ以来、満月の夜は外に出たことが無い。
次、そのモノに出会ったらきっと私は生きてはいられないだろう。
そんな気がするのだ。

1966年アメリカ合衆国ウェストバージニア州ポイント・プレザント在住
Mr.K.K氏 談(彼はこの取材の後の最初の満月の日に消息を絶った)