歌詞・カードジャケット作品

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逢火離炎恋草子

かぴたろう

かぴたろう

今回は燃える恋の曲です。


原作 井原西鶴『好色五人女―巻四 恋草からげし八百屋物語』
詞曲 かぴたろう

江戸のせわしい師走の或る日
からっ風が吹いて町は大火事
火から逃れて親子は寺に
娘の名をお七と言いました

人で溢れる寺の片隅
小さな棘が抜けず困るお顔が
私が抜いて差し上げましょうと
それが其の二人の出逢いでした

文を交わすうち
其の想いは募り募って
契りを結ぶ

あなたと何時も 御袖を交わし
共に在る事 命の限り
立てた誓いは 心結べど
其の身は遠く引き離され


家に戻るもお七の母は
行きずりの恋などは はしたなしと
恋す二人を引き離しては
逢えぬ辛き日々は続きました

そんな日々の折
あなたは貧しき姿で
お七の家に

あなたにひと目 逢わんが為に
下賤に扮し 密かに参る
逢瀬の晩も 俄かに過ぎる
其の手だけ触れ得ただけ

逢えぬ日々は積み重なり
想いは募る
憂きに恋路は折れ曲がり
想いを紡ぐ

想い詰てはあなたの事
願い届かぬ憂き世の事
お七は―


あなたにひと目 逢わんが為に
町の片隅 炎を放つ
さすれば又 あの日の様に
あなたと出逢えるはず

あなたを何時も 想うが為に
あなたと立てた 誓いの為に
燃ゆる炎は 其の身を焦がす
かの御姿 其の眼に 浮かべたまま

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