むつのはな
最後の強がりで振り返らず
枯れ葉の滲んだ道を歩く
離別に準えた冬の景色
それぞれに違う先を見てた
重なる景色がただ告げていた
二度と触れ合うことは無いのだと
静かに足を止めた
私の手の平に落ちて音もなく咲き消える六つの花
小さくこぼれた吐息が空の白に混じり合う
一筋 雫つたうように
纏わり付く弱さ見せないように
掻きむしる想い忘れるように
過ぎ去り色褪せた時間の中
それぞれに違う先を見てた
そっと仕舞い込んだ日々の切れ端
しわくちゃの折り目は固く閉じて
見上げた空から降る
私の手の平に落ちて音もなく咲き消える六つの花
小さくこぼれた吐息が空の白に混じり合う
これで最後と
もう一度だけ
あと一度だけ
振り返る