脳が言ったんだ inst
味の付いた水溜まりがもうほら
そこまで来ている
生まれて28年 貯金は歳の数ほどしか見当たらない
僕に倣えばうん百歳だ。こいつは死んでいる
いや持っていた 同じものだと信じていたのに笑っていた
あまり知りたくはないんだ もう答えは知っているし
ただ弄っただけ ただ擦っただけ
疾うに分岐スイッチ壊わしていた
きっと気持ちがいいだろう
脳が言ったんだ 忘れることなんてないさ
一番に知っている顔をしている 信じらんないな
脳が言ったんだ 気のせいなんてもんじゃないさ
口許で落ちた言葉の影をどう掬っていく
考えてもわからないことの方がずっと多い
僕らがわかるくらいはなんてことないよ
考えるだけ無駄だ なんて考えているのも無駄だ
そんな無駄で僕らできている
ただ四肢がついている ただ顔がついている
そんな形だけのもので人を騙っている
脳が言ったんだ 許せることなんてないさ
肢を掬う ここには何にもないよ お別れだって
思い出ばっかりが白く飛び散ってしまうから
日が昇る度に収めていくから どうか待ってくれ
脳が言ったんだ そこに確かに在ったんだ
案外ちっぽけなもので出来ていた そんなもんだって
脳が言ったんだ 確かに脳が言ったんだ
口許で落ちた言葉の影をどう掬っていく?
思い出しても遅いんだ 君はいない、いない、いない、いない