アデライド、または花言葉(off vocal)
いつからだ?
聞こえなくなったな
友達の仲間はずれの言葉
先生は僕の事を
変な子だと笑っている
発明を望む学者達
ラジオから隣の国の悲鳴
パパとママは喧嘩して
写真立てをを壊している
燃えてゆく
紫陽花も
君の言葉も。
いつか無くした
君の体
まだ取り返せるなら
僕じゃなくなっても
構わない
なのに世界は許さないから
壊してよ、全部
そう願った僕と、アデライド
蓮の花言葉、覚えてる?
壊れた籠は、飛ばない鳥がとまっている
救われる事から
逃げていたのは
この僕だったんだ
「愛して」なんて言えないよ
「返して」なんて大袈裟だよ
部屋に浮かぶ紙の船と海月
起きた梟が「演じ続けろ」って言う
羊は月も星も飛び越えて
陽気な猫はヴァイオリン
間違ったままの君は
赤子の姿のまま泣いていた
一面に咲いたネモフィラの花
本と貨幣を焼いて踊った
さようなら、消えた国と子供たち。
花束を空に投げた兵士達
みんな、歌う
「戦争は終わった」と。
画用紙でできている
僕らの世界の中で
いつからだ?
こんな風に笑えるようになったのは
君は、泣いてるのに。