しかん
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8768189
誰かが死んだ。
知らない人達が笑った。
「死んでせいせいした」と吐き捨てた。
誰かが死んだ。
悲劇的な雑誌が笑った。
おごそかな誌面で、「ネタが尽きそうだ」と嘲った。
今日も立ち合った。
死にましたなんて告げたくない、告げたくないのに
なぜ死んだんだ?
命だけ浮いたまま、彼はまた世間に殺されていく
今日も立ち合って、
私は今日も飯を食べる
立ち寄ったその日のラーメン屋は
とても肉の味がしたけど、
とても美味しかったんだ
私は、おいしかった。
それが幸せだったんだ。
横たわったその身体のしかんを見た気がして、
私はその部屋を後にした。