いのりinst
「笑えない。」
ってぽつり呟いて、こう、笑う君の寂しそうな表情を見つめてると、僕も寂しくなる。
泣きそうに、なる。
(とても虚しい泣き声が胸の中に響く。)
温かな手を繋いで、二人、ただ幸せに暮らしたいだけなのに。
どうしてそれすらも……?
「許さないで。」
ってぽつり呟いて、こう、涙流した君を、そう、愛してるのさ。
笑えない冗談だろ?
分かってるさ。
(とても虚しい喚き声が胸の中に響く。)
少しだけでさ、いいから。
ねえ。
人並みの幸福ってやつを求めてみたりすることが、僕ら欠けてるんじゃないかのな。
なあ……!
どうして君はそんなに一人でいようとするのさ。
もう少し、僕のこと信じてくれたっていいと思うんだ。
十年後の僕たちが笑顔で生きていることを祈りながら、今日は君の手を握って眠りにつく。