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シンガーソングライター inst

葵木ゴウ午後ティー

葵木ゴウ午後ティー

BPM=90

「明日なんて来なけりゃいい」とひとりごちて
静寂と虚しさの群れに喰らわれる毎夜
三弦が切れたギターとペン 悴んだ手
微かな電球の灯りだけが 唯一の温みだ

昔つるんでいた後輩のあいつは
家を建てて子供も産まれたってさ
墓石と酷いにおいの六畳間
売れない音楽の腐乱死体に足を取られた未来

僕らは人生の落第者
後悔ばっか上手になる日々だ
もう死ぬか 軒先の椿も直に散るから
寸暇も惜しんで綴るこの歌に
惰眠以上の価値はないだろうな その対価が今か

夜の星がうざかった
そう思うのはきっと僕が汚れすぎたからだ

「眠るのだって怖いんだよ」とツレに言うと 
怪訝な顔をしやがったから酒を傾けた
帰りの駅 ロータリー前で歌うバンドマン
客も金もからっきしではあるが眩しくてしょうがない

終電を待つホームで派手に吐いて
通りかかるやつらの視線が超いてぇ
そりゃそうか 昔から変わんねぇや
夢に敗れて腐ったやつに延べられる手はない

最低な人生でありました
自前の絞首台に吊るすアニマ
もう止めだ 醜い翼でも足掻いた夜鷹
こんな暗い歌じゃ誰一人救えやしねぇもんな
もうだめだ 凡庸な僕らは

今がこうも辛いなんて
そう思うのは僕が僕を過信してたからだ

非凡なやつの足蹴にされ 泥水啜ってベソかいて
自嘲、自傷にも慣れちまったよ
だけど僕はいつか見返したいよ
かっこつけてももう遅ぇよ 
白けた面した満月に吠えろ
希望に満ちた言葉は今更出てこないけど
それが自ずと歌になる

人生の道半ば
後悔だって生きた証明だ
まだ死ぬな 正しくあろうとして無茶をするな
でも向き合わなくちゃな
もう選択の余地もないもんな

さぁ歌え 人生の落第者
負け犬にお似合いの遠吠えだ
なぁ誰か これが聴こえていたら応答願う
こんな暗い歌で誰かしら救えると言うのなら
それだけの為に生きたいや

「夜の星が綺麗だ」って
そうは歌えない僕らも悪くはないかもな