【初音ミク】 林檎飴殺人事件 【オリジナル】
「林檎飴殺人事件」
詞・曲:りんごあめ
屠畜工場跡地の旅館(オテル)
古いラヂオでジャンゴのギター
プレカリアート店員の叩く
緩いレジスタ三度の違算
漏斗状にすぼんだ遠景
氣をやる前照燈(フェラン)見てゐたトルソー
シーツを漂流する肉叢と
兵役終へた避姙具の餘生
天井へと滴るミルクに
有翅類の鱗粉を塗す
ダーリン ダーリン
今はそばに置いてね
夜幕に擦れて腫れた匂ひと
手囘しピクシー高ぶるダイナモ
とほい空でピストルが鳴る
屍體のうへで螽斯(キリギリス)が鳴く
玻璃の衣裳で十字巷路(よつつじ)を折れて
私の部屋へ飛び込む探偵
向かひの窓から首がでしやばる
「エエ・シャメル・トア(おい、此のメス駱駝め)!」と叫んでる
嗅煙草の銀紙を捨てる
ロイマチス病みの玄關番(コンシェルジュ)
搖れる木の葉は風の形も
目に見えると諭してをります
ダーリン ダーリン
靴を窓から投げて屋根を驅けて行く
砂に隱した月を嗅ぎつけ犬は東へと