「恋の話」 inst
やわらかいその息もいつかは消える、思い出になる
触れられないとしても
「あなたを知らない夜など無い」と、言えるよ
微かな隙間にさえ光は漏れて、私を包む
春によく似た朝の暖かな夢
美しい窓に移る、季節の風に揺らした髪がくすぐっては
笑い合う日々を数え、迎えに行くよ
恋をして
透けたままの想いを咲く花に例え、実る日を待つだろう
やがて枯れても、それでいい
それでもいい
意味を解く言葉より、重ねた指で伝わるのだと
同じ景色を見て、同じ涙は流せないけれど
もつれた心に優しく触れる声を
いつまでも、忘れてしまわないように
話をしよう
恋をして
透けたままの想いを咲く花に例え、実る日を待つだろう
やがて枯れても、それでいいから
日が暮れて
暗い道の上でも、思い出すあなたが明かりになる
私が花に抱かれ眠る時もきっとそうだろう