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例えばながめ暁(あかつき) 有り得(う)べき過去 景色は切り取られてる 玉のひかりが目尻をすぎる そっとあの夜を押し込めて あなたならもし ささめ聞き做し(ききなし) つとめて朧な霧と いわおとが白に溶けて こころ震えますか/しとどに...
借景
after
keiseiさんにお題をもらって作詞しました /のところは前の歌詞のそこから次の歌詞が被さって始まる感じを表したかったやつです。 「造られた色も〜額の中で」「今行くからね〜」は「あなたならもし〜朧な霧と」「今行くからね〜漏る色よ」と同じリズムです 「わたしもそう〜中で今」は「触れたのなら〜留め置いて」「踊る足が〜羽ばたいて」と同じリズムです 流れとしては借景の庭を部屋の中から見ている「わたし」が、ある夜自然の声に誘われて水面で踊ることで、部屋の窓枠という額縁より外の自然の広さを身に浴び、憂鬱な夜などどこかへ行ってしまったって感じです。 細かい心情は抜きにして流れと言葉の解説だけしていきます。 ・ながめ →眺めと長雨の掛詞(ながめせしまにのアレ) ・玉のひかりが目尻をすぎる →朝日がすだれの隙間を抜けて丸い光になり顔を横から照らしている様子 ・ささめ →細めと私語(ささめごと)(意:ひそひそ話)の掛け ・聞き做し →鳥の鳴き声を人間の言葉に当てはめて聞くこと。ホーホケキョとかのこと ・霧といわおとが白に溶けて →湖面に霧が落ちており、大きな岩をも見えなくなっている様子 ・虹のひかり →少し日が高くなり太陽のプリズムが出ている ・触れたのなら歪んでしまう →湖面を触れば映った風景が波紋で崩れてしまうこと ・まぐはしき →見た目に美しい ・山笑う →春の季語 ・山粧う →秋の季語 ・夜さり →夜のこと ・わたしもそうにほひぬるのね同じなの →自分が水面に降りたということは、部屋にいる人から見れば自分もまた風景の一部となっており、色美しく咲いているということ