創作ツリー

創作ツリーとは?

親作品(0)

「romeo y julieta」の創作に利用した作品

親作品は登録されていません

ジャケット画像

romeo y julieta

享年16

享年16

月光は条例に基づいて 八時過ぎに門限を告げた
昨今は結構な確率で ヒトが仮初に迷い込むと云うが
強ち、それは間違いじゃなかった。

白光は手折やかに青白く 錯視を誘って点滅
活発な虚構を飾り立て まるでそれに手が届くような風で
幕を引くにはいい夜だった。

このまま君を抱いて深く潜り呼吸を忘れて
やがて在り来たりな物語の一部に消えよう

君は綺麗だった。震えながら微笑み続けた
滲む画面越しに見詰め合って愛は加速してゆく。

綺麗な言葉が空回り フラフラフラと通り過ぎてった
奇抜な言葉が仇になり何一つも伝えられないまま
夜は更け、窓は開き、結末は台本のままに。

指先君をなぞり感情野が錆び付いて軋む
それは造作もない、脳が見せた甘美な幻。

君が綺麗だから、震えながら僕は泣いていた
濡れた画面越しの物語は終わりへと突き進む。

寄る辺ないこの心に突き刺され、君の影

ただ、頼りないただの数列を魅入られたように恋い慕った。
それだけで僕は幸福で居て、謂れのない安堵に包まれた
後ろ指を指す他人も居たけどそんなことはどうでもよかった


ただ、頼りないただの数列を魅入られたように恋い慕った。
それだけの、ただそれだけの。
小さな恋は君と始まり、音も立てずに息を止めた。