【初音ミク】雪かぶり姫と少年【オリジナル】
ニコニコ動画:http://www.nicovideo.jp/watch/sm22524695
「マッチをくれないか これと引き換えに」
裸足のその子に 靴を差し出した
一度は持ち去った もしもこの先に
父親になったとき ゆりかごのかわりにと
そんな未来より 目の前の
ぬくもりが欲しくて
浮浪児(彼)は彼女の落とした靴を
返しただけ それなのに
少女は微笑んだ
「ありがとうね」なんて言ってはにかむ
少年はなんだか恥ずかしくなって
下を向いて うめいた
頭にも肩にも 厚い雪化粧
「わたしね 誰一人聞いてないと思ってた
だからお礼がしたい」目の前で
マッチを取り出して
彼女は彼のため火をつけた
ただそれだけ それだけで
ストーブの灯り もみの木 星飾り
赤い帽子の妖精(ニッセ)も踊る
はらぺこにさよなら 寒くない 幸せ
不幸せは なにもない
その夢の中でも問いかけ続けてる
「マッチはいかが?」
望めばなんだって
ぴったりの大きさの靴(硝子の靴)だって
手に入るのに おかしいな
「星が流れたらかわりに誰かがね天にのぼるの」
座り込んだ少女 ありったけのマッチ
赤い帽子の妖精(ほのお)が揺れる
彼は思わず 目の前の
その手を引き寄せて
眠りの淵の彼女の意識戻しただけ
風にか細く揺れるそれがね
手から消えたとき
人は星になるのかと思い
手放した灯火(ほのお)はまだ
どこかへ連れ出せると思ったわけじゃないけれど
靴も片方落としたままで かじかむままだけれど
「マッチはいりませんか?」
もしもその声に
答えがあるなら新しい朝が来る