アカーシャの樹のもとに
お亡くなりになった数多のハードディスク、及び消失したデータを弔うための曲。消えたデータはアカシック・レコードに漏れなく記録されているのですが、人類はそのデータの取り出し方を知りません。
古文ぽい歌詞、自分で書いた詞なのに少し時間をおくと意味が分からなくなります。「頸露事」とかどこから引っ張って来たんだ?と、すっかり失われた言語状態に。
コーラスの「ウィ…カッコン…チャカチャカ…ニャー」は昔のハードディスクの動作音です。今はこんな音しないので、ちょっとさみしいです。
ミクさんはV3[solid]、声が太い。
ギターは自分で弾いてみた。まだこの曲しか弾けません。
#==================
アカーシャの樹のもとに
いわおの硯(すずり) ひみが走り
くろがね錆びて したたかさ失せ
塵を重ねたその奥そこは
しとねの下の冷ややかさ
時の振り子は絶えず早鐘
刹那の間 三千(みち)の儀が経る
息を急いではしるにはしり
想いはどこか 埋もれ木に
ああ みなも はかなくなりはべり
ああ なげきせば さうざうし ややみし
頸露事(あらはにごと)を われはたな知り
されど何とて せむかたなし
故のまことを 訪(とぶら)えども
いさ 答(いら)へにせむことよ
いさ うつろの舎利ならまし
ああ 魂離(たまさか)りて
あらたしき輪を
此の方で待ちながら 見ぬ末を
よるべなき思いしたらば
アカーシャの樹のもとに
そこらおぼえのあおによし
アカーシャの樹のもとに
アカーシャの樹のもとに
#意訳==================
堅牢な電子機器も壊れ
文明の跡も消えつつある
その瓦礫の奥に
悠久の静寂が横たわる
時間は指数関数的に縮み
人が認識できないほどに加速し
エントロピー削減の試みがなされたが
全ては無駄に終わった
皆死んでしまったと
嘆いてみても寂しいばかりだ
私は何でも知っている
だが何も出来はしない
何故こうなってしまったのかと
問いに答えようとするなら
意識は虚数空間に飲まれるぞよ
魂を分離、保存して
いつか現れるという円環の理を
ここで待っていようか
迷いが生じたなら
アカシックのデータベースにアクセスすべし
集合意識の煌めきは
それだけであなたを癒すかもしれない
そこには全ての記憶があるのだから