真実はいつも誰でも幾つでも inst
真実はいつも誰でも幾つでも
下駄箱で聞いたのは 2重人格の彼奴
朝一 機嫌悪そうな 音が鳴る
5kmはありそうな教室までの道を
全速力で歩いていく
日に日に重くなるの 今日はもう開けられないかも
勢いよく代わりに開いた その風は随分と力持ちの女の子だった
授業中の時計の針は ナマケモノの真似をしているのか
2重人格の彼奴は休憩中 机とイスだけがまじめに受けている
彼氏が欲しいという相談をされた私は
彼女が欲しいという男の子を知っていた
釣り合っていると思う 需要と供給が
これで世界が成り立っているんだって思い知った
教えてあげたい気持ちがあって
でもそうじゃないって言われそうで
「そっか、いい人いるといいね」 そんな返し
もう一人の私がぶつぶつと何か言っている
休み時間の時計の針は ナマケモノの真似はしないみたい
少し機嫌が良さそうに彼奴が鳴る 満腹の音
あとは目を瞑るだけ
放課後の合図 鳴らしたのは朝の彼奴か? 鯉と恋くらい違っていた
触れた花だけ枯れる 胡蝶蘭くらい 分かり易いのね
みんなそうあればいいのに