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亡骸に未練の雨
「ファンタスマゴリア」
ゆら揺らめく
君だった躯穿つ涙
猶予う雲のよう
夥しく舞う
怖くないよ、私には
人の目のほうが怖い
うたうように弾むウィル・オー・ウィスプ
優しい君が包んでくれる...

「死なせて」
リスカしたの、左手首
ハサミで引いたの、何度も何度も
蛇口捻って描いてみる
足りない、足りない、まだ足りないの
私を見て
私を叱って
私を愛して
私を必要として
瘡蓋、傷口をえぐる...

背中丸めた私
声の暴力もう無理なの
早くここから消えたい
乱れた息そのまま
伏し目がち
腕を抱いて
溶ければいいの
その手が届かない場所を探すのよ
私などみんな見失え
覆い隠した瞳隙間の光...

心
胸の中、一人奏でる『harmonic』
いつかドア開いて…
悩み抱えてるのは自分だけじゃない事
知ってるわ
だから口を塞いだまま
それがルールなの
「あの人のツラさに比べたらきっと」
感じる痛みを全部否定するのよ
それが正しい事なの...

「嫌ああああああああああああああ！！！！」
嫌
汚れた足
大嫌いな声
醜い私
胸を貫く、鳴りっぱなしの踏切
嫌
臆病な爪先
勝手に頬を流れるもの
発信されないS.O.S....

通過点、けたたましい悲鳴
髪が揺れる、微かに細めた瞳
十歩分の距離の君の考え込んだ視線の先を
夢中で追いかけた
「それは恋ね」「違うよ、憧れだよ」
私はまだ私を知らないまま
見送るだけの塊が通り過ぎたら
別々の行き先の箱に乗ってしまう
雑踏モラトリアム
束の間の交差...